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湯川遥菜氏のPMC japanの正体―軍事マニアの幼稚な渡航目的とは

湯川遥菜氏のPMC japanの正体―軍事マニアの幼稚な渡航目的とは

湯川遥菜氏のPMC japanの正体―軍事マニアの幼稚な渡航目的とは湯川遥菜氏は何故ISISに拘束されたのか
内戦が続くシリア。中でも最激戦地といわれる北部の要衝・アレッポで、千葉県出身の湯川遥菜氏(42)が反体制過激派組織「イスラム国(ISIS)」に拘束される動画が2014年8月16日に投稿された。

軍事&戦地を見たいだけで戦地へ飛び込んだ湯川氏

報道に頻発する「PMC」という言葉。

PMCとはprivate military company(プライベート・ミリタリー・カンパニー)または private military contractor(プライベート・ミリタリー・コントラクター(請負人))の略で、民間軍事会社という意味だ。

湯川氏は自身を「日本初の民間軍事会社(=PMC)のCEO」と称し、2014年1月に「ピーエムシー株式会社」を設立、代表取締役となっている。

今回の出国前には自身のブログで[今回の渡航では僕の戦闘シーンも多く撮影したいと思う]と書き込んでいる。その表現だけを見る限り、戦地に行くことが楽しみな雰囲気も感じ取れてしまうのだが…。

報道では、湯川氏の今回の渡航の目的は、イスラム戦線とイスラム国の戦闘を取材することだったされている。そして戦闘に巻き込まれ、イスラム国(ISIS)に拘束されてしまったのである。

湯川遥菜

2014年6月に渡航したイラクでの写真。米軍用車両の前で自動小銃を持って記念撮影をした写真。(PMCのHPより)

外資系民間軍事会社社員によると、今回の湯川氏の行動をひと言で言えば、現実が見えていなかったのではないか、という。

軍事が好き、戦地を見てみたいという思いだけで、知識や経験が不十分なまま戦地へ飛び込んでしまった。それが今回の事態を招いた原因と言えるのではないか、と指摘する。

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人当たりも柔らかく、礼儀正しくて夢大きな好青年

「ピーエムシー株式会社」の顧問を務めるのは、元茨城県議である木本信男氏だ。

木本氏が湯川氏と最初に会ったのは、田母神俊雄氏が会長を務める『頑張れ日本!全国行動委員会』の会合だったという。

そのときの印象は、「人当たりが柔らかく、礼儀正しくて夢大きな好青年」。

後日、水戸に来て『海賊対策や、海上運輸の警護を目的とした会社を作るから協力していただきたい』と話をされて、受けたという。

湯川遥菜 田母神俊雄

田母神氏と湯川氏の写真。2013年末が初対面だったという(湯川氏のブログより)

ミリタリーショップ兼卸業を営んでいたが失敗、自殺未遂

湯川氏は「ピーエムシー株式会社」を立ち上げる以前、サバイバルゲームのグッズなどを取り扱うミリタリーショップ兼卸業を営んでいた。

だが、ほどなくして事業に失敗し、自殺未遂を起こすほどにドン底に落ちてしまう。

関東各地を転々とする日々が続いたあと、2013年頃から千葉市内にある実家近くの木造アパートでひとり暮らしを始める。

その頃にPMCを立ち上げたが営業がうまくいかない状態で、部屋に届く請求書を郵便受けに放置していたという。

正行→遥菜「改名」のいきさつ

現在の「湯川遥菜」という名前は、実は改名後のもの。

父である正一さんが語っている。ミリタリーショップを経営していた頃は「湯川正行」と名乗っていたが、占いなどで『画数が悪く短命』と言われたため、裁判所に行って名前を変えたのだという。「正行」というのは、父、正一さんがつけた名前だった。

現実感が抜け落ちた湯川氏のブログ

湯川氏は民間軍事会社としての実績と経験を積むため、2014年4月と6月にシリア、イラクを立て続けに訪れている。

しかし、湯川氏のブログからはどこか現実感が抜け落ちているように感じられる。

味方と考えてた自由シリア軍と戦闘は避けたい。僕はアサド政権が敵なのだ!(中略)20名との本格的な銃撃戦で90発ではやや少ない様に思えた。仮に全て全員を倒したとしても、この施設から国境を抜けるには更に弾薬が必要

最前線の状況は戦争映画を連想させる様な風景だった!最前線に有る橋で敵を待ち構える雰囲気は何とも言いようがない居心地の良さ

湯川氏がユーチューブにアップロードしたAK47銃の実弾射撃映像

複雑化するシリア情勢

湯川氏はシリアの反体制派「自由シリア軍」に共鳴する立場を取っており、体制派を敵視している。

しかし、国際政治アナリストの菅原出氏によると、情勢はそんな単純ではないという。

現在シリアではシーア派であるアサド政権と、反体制派で西側の支援を受ける自由シリア軍の対立が3年以上続いている。

しかし、それに加えて対立政権を打倒した上で完全なるイスラム国家樹立を目指す「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」、さらに隣国のイラクでISISと対立するクルド人組織が同じ地域に入り乱れている。

反体制派同士の対立も激化しており、欧州にいるムスリムが傭兵として参加するケースもあるという。

シリア情勢

・ISIS・クルド人・シーア派
3つの勢力が3つ巴で戦っているシリア情勢。
*ISISとISILは呼び方が違うだけで同じ組織

自由シリア軍とISISは同じ反体制派なのに何故敵対しているのか

報道によると、湯川さんは同行していた自由シリア軍混成部隊とイスラム国(ISIS)が戦闘になり、同部隊が退却した際、逃げ遅れて現場に取り残された。

さらに誤ってイスラム国の戦闘員がいる方に向かい、捕らえられた可能性があると見られている。

このようなシリア反政府派の同士での戦闘はなぜ起こるのだろうか?

当初アルカイダ系であるISISはスンニ派の自由シリア軍を支援していた。

しかし、アサド政権打倒という目的から逸れ始め、外国人ジャーナリストの誘拐、殺害など過激な行動を取るようになる。

自由シリア軍は、ジャーナリスト誘拐や殺害には否定的で、そのような組織間の考え方の違いから軋轢が生じ、ISISは自由シリア軍も敵とみなしたと考えられている。

ISISは自由シリア軍に対しての処刑を行うこともあり、残忍な映像がユーチューブ上にアップされることもある。

スパイにナーバスになっている戦場

実際に、義勇兵としてシリアへ入国し、2013年4~7月に戦闘に参加した日本人男性によると、スパイにはシビアで、写真を撮ったり一人で知らない場所をウロウロしたりすることは禁じられていたという。

現在は、よりナーバスになっているとされ、知り合いもISISに殺されているという。

前出のPMC関係者によると、ISISはすでに油田などを押さえ、潤沢な資金を手にしており、身代金を要求する可能性は低いという。

西側のスパイと認識されると、見せしめのために処刑されることもありうる。生かされるのは、捕虜としての価値があると判断された場合だ。

湯川氏と同じイスラム国(ISIS)に10ヶ月拘束されたフランス人ジャーナリスト

湯川氏と同じくISISに10か月に拘束され、2014年4月に解放されたフランス人ジャーナリスト、ニコラ・エナンさんが、NNNの取材で拘束中の状況を語っている。

ニコラ・ヘナン

インタビューを受けるニコラ・ヘナンさん
(c)日テレNEWS24
※クリックで動画ページへジャンプ

フランス人ジャーナリスト、ニコラ・エナンさんは2013年6月、シリア北部で取材中にイスラム過激派組織「イスラム国」に拘束され、その後2014年4月に解放されるまで、10か月にわたり収容施設に監禁されていた。

エナンさんを含む拘束されている人たちは床の上に直接寝かされ、ベッドやマットレスもなかったという。1日中ずっと座り、常にストレスを感じていたという。何が起こるかわからないため、恐怖を覚えたこともあるという。

殺害されたアメリカ人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリーさんとも一時、同じ部屋で拘束されていたこともNNNの取材で語っている。

エナンさんは日常的に暴行を受けたりすることはなかったという。エナンさんは2014年4月に他のフランス人とともに解放された。身代金が支払われたとの報道に対しては、フランス政府は否定している。

「イスラム国」側が引き渡し交渉に応じる意向

湯川氏については、すでに処刑されたとも生存しているともいわれており、安否はハッキリしていない(2014年8月22日時点)。

湯川さんと行動を共にしていたシリア反体制派組織に朝日新聞が2014年8月20日、電話取材を行い、「拘束した「イスラム国」側が、男性の引き渡し交渉に応じる」と伝えているという。

報道によると、反体制派組織「イスラム戦線」側が「こちらが拘束している『イスラム国』のメンバーを引き渡す代わりに男性の解放を求めたい」と提案し、それに対して『イスラム国』側も応じると伝えてきたという。

処刑が公開されない間は無事だという見方もあるが、確実ではない。

湯川氏の父は、息子の無事を望んでいる。

「世間さまにご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱい。親としては、無事を祈るだけ。元気な顔を一日も早く見たいと思っています」

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