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映画『響 -HIBIKI-』のネタバレなし感想―ジャンル分類不能の快作

映画『響 -HIBIKI-』のネタバレなし感想―ジャンル分類不能の快作

原作も平手も欅坂も知らなくてOK
こくまろトレンディ編集部の奥田です。

映画『響 -HIBIKI-』ですが、公開初日に見に行ってまいりました。

ちなみに私は原作があるのも知りませんでしたし、平手友梨奈に関しては欅坂のセンターで激しく踊ってる女の子くらいのイメージしかありません。

ですがかなり楽しめました。

面白いです。

以下に理由を列挙しました。

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平手友梨奈の怪演に引き込まれる

主人公は欅坂46メンバーの平手友梨奈が演じていますが、グッと画面に引き込まれる迫力があります。

「欅坂の子が主役の映画だろ~?」「アイドルが主役だしなぁ」と思って甘く見ないほうがよいでしょう。

平手友梨奈は凄まじいです。

平手友梨奈が演じる響は、口数が少ないながらも自分の中の論理や意思を曲げるくらいなら過激な暴力もいとわないという、ホラーな女子高生です。

こういう尖りきったキャラクターは漫画だからこそ成り立つものだと思いますが、平手友梨奈はこの難しいキャラクターを見事に演じきっています。

一見すると不気味でホラーなキャラクターでありながら、大好きな作家を見つけるとトコトコ走っていって「あなたの作品、好き」と感情をあらわにします。

この響がもつ強烈なギャップやアンバランスな世界観を見事に表現した平手友梨奈の演技には引き込まれてしまいました。

平手友梨奈ファンにはたまらないサービスシーンも

平手友梨奈が主演の映画ですので、当然平手友梨奈のファンを意識したシーンも含まれており、「これはファンならたまらないな」といえるシーンが多いです。

響が映るシーンは後ろ姿の画が多いのですが響の“モッサリ”した髪の質感や体温まで伝わってきそうなくらいに寄って映していることに意図的なものを感じました。

また、家でくつろいでいるシーンのパジャマやコスプレのシーンに至っては、破壊力が強すぎたのか、隣りに座っていた男性が「てっちかわいい…」と小声を漏らしていました。

※そのほかにも砂浜で砂に埋められる平手友梨奈のシーンでは「あぁ…」という声が聞こえました。

もちろん、ファンではない方でも違和感のないように自然にシーンに組み込まれているのでご安心ください。

北川景子と小栗旬の演技は大物の貫禄

今作で重要なキャラクターのひとりに響の編集者を演じる北川景子さんがいます。

彼女は終始、響の特異なキャラクターに振り回されることになりますが、こんなに感情むき出しで激しく動く北川景子を見られるのは響だけでしょう。

大女優の貫禄を感じさせる迫力がありました。

北川景子さんにとってもこの作品はかなりチャレンジだったのではないでしょうか。

平手友梨奈だけがクローズアップされがちな作品なので、ぜひ、北川景子にも注目してみてください。

あと重要なキャラクターとして、芥川賞の受賞を狙う作家を演じる小栗旬がいます。

映画『響 -HIBIKI-』は基本的には「平手友梨奈の映画」なのですが、現在の出版業界に対する強烈なメッセージが込められています。

その映画のメッセージを表現する上で小栗旬の役柄は非常に重要です。

彼の登場するシーンは非常に少ないですが、迫力が半端ないです。

「小栗旬、ホントにすごいな…」と素直に感動してしまいました。

ぜひ、大物の貫禄を感じる北川景子と小栗旬の演技にも注目して見てみてください。

ジャンル分類不能、強いて言うなら「平手」

この映画はチート級の能力を持った平手友梨奈演じる「響」を中心に巻き起こるドタバタを描いたものですが、かなり原作に忠実だと思いました。

原作を見た人は問題なく楽しめると思います。

ただ、原作を全く知らないと、半分くらいまで見たところで「この映画のジャンルはなんなんだ?」とふと疑問に思ってしまう方も多いと思います。

作中の空気感はホラーやサスペンスなのですが、そのピリピリした空気感を中和する平手友梨奈からにじみ出るキャラクターがこの作品を独特なものにしています。

原作でも回を重ねるごとに響の顔の描写で尖った顎が丸くなってきており、「もともと平手友梨奈が主人公を演じることを想定して描いていたのでは?」と思えるほどです。

個人的には映画『響 -HIBIKI-』は「平手友梨奈」のために作られた映画だと感じる部分もあり、この映画のジャンルとしてはホラーでもスリラーでもなく、「平手」だと思っています。

それくらい独特の空気感をもった作品だと思います。

今回は響はチート級の文才を持つ女子高生でしたが、平手友梨奈演じる響がもし○○になったら…という感じの「平手映画」をこれからも見てみたいと思いました。

平手友梨奈の演技力にはそれだけのパワーを感じました。

見終わったあとに「あースカッとした!」「幸せな気分になった!」「感動して泣いた!」という映画ではありませんが、今の邦画のパワーを感じたいという人はぜひ見ていただきたいと思います。

忘れてました。平手友梨奈好きは映画館で見ないと損です。

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