石川遼と松山英樹のライバル関係に迫る!
ザ・メモリアル・トーナメント(米オハイオ州)で、米ツアー初優勝を遂げた松山英樹(22)。
日本人として4人目(過去に青木功、丸山茂樹、今田竜二)の快挙だ。
しかし、その快挙の影で複雑な心境にあるのが同級生のライバル、石川遼(22)だ。
松山英樹が優勝した後、石川遼は自身の公式サイトに
「大前提として英樹が勝った、日本人が勝った嬉しさはあります! けど! けど! 悔しいです」と綴っている。
石川遼は2007年、15歳8ヵ月でアマチュアながらプロのトーナメントを制覇し、翌2008年からプロに転向した。
さらに2009年には史上最年少で日本ツアーの賞金王に輝くなど、常に同級生である松山の前を歩いてきた。
2010年に松山英樹が頭角を現す
一方、松山英樹がゴルフ界で脚光を浴びるようになったのは、当時東北福祉大の1年生だった2010年だ。
アジアアマチュア選手権で優勝し、2011年のマスターズ出場権を獲得すると、続く日本オープンで優勝争いを演じる。
そして、初出場のマスターズでは日本人として初めてローアマチュア(最優秀アマチュア選手)に輝いたのである。
[ad#ad-1]
世界ランク松山14位・石川94位で立場が逆転
現在はアメリカを主戦場にしている石川と松山。
世界ランク14位の松山に対し、石川は94位(6月23日時点)だ。いつしか立場は大きく逆転していた。
松山が全米オープンを戦った翌週、石川はアメリカの片田舎でトラベラーズ選手権に出場していた。
同じ週に米国では全米女子オープンが、日本では男子の国内メジャー・日本ゴルフツアー選手権が開催されていたため、報道陣はまばらだった。しかし、石川は意気軒昂だった。
松山英樹が気づかせてくれた「世界一」の目標
石川は松山について、「僕と英樹は同い年ですけど、まったく別の道を歩んできた。そんな英樹の優勝を日本人として誇りに思います。」という。
しかしながら、その気持ち以上に、悔しい思いが強いのが素直な心境だという。
「もっと上手くならなければ、目標にしてきた『世界一』には届かない。それをあらためて気付かせてくれたのが、英樹の優勝でした」
アメリカで戦い続けたいと強く思うあまりに、シード権獲得のためにポイントを稼ぐ小さなゴルフになっていた石川遼。
しかし、大崩れしない、リスクを避ける無難なゴルフでは、トーナメントには参加できても、ずっと目標にしてきた「マスターズ制覇」の夢を叶えることはできない。
そのことを石川遼は先勝したライバル、松山英樹から教わったのだ。
石川遼「ショットに関しては最近、成長している感じがしなかった」
石川遼は最近のスイング練習では、得意とするドライバーなどは一打一打、スイングを確認しながら丁寧に打ち込み、苦手のアプローチはほんの数ヤードの距離でストレート、フェード、ドロー、そして高い球を打ち分ける練習を繰り返していた。
また、石川が『正直、ショットに関してはここ最近、成長している感じがしなかった』と自ら話す場面もあった。滅多なことでは後ろ向きな発言をしない石川らしからぬ発言だった。
成長のための種まきの時期
2013年は腰痛の影響で満足に練習ができず、シード権を手にするまで苦労した石川。
今シーズンはその腰痛も回復し、来季のシード権もほぼ手中にした。
いまは成長のための種まきの時期だと位置づけているのだろう。
今後石川は日本を拠点に技術を磨いていく予定だという。
「英樹が優勝したからといって、自分が焦っても仕方ない。」という石川。
今シーズン、シュライナーズ・ホスピタルズ・オープンでは2位を取ったり、何試合かトップ10に入ったこともある石川遼。アメリカで十分通用しているといえるだろう。
そして、もう一段階上に行くためには、目先のスコア、数字にこだわる必要はないと思っているのだという。
石川遼と松山英樹。切磋琢磨する二人の天才の目標はともに「世界一」。本当の勝負はこれからだ。
No commented yet.