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マダニウイルスSFTSの予防対策と治療法―致死率30%・ワクチン無し凶悪ウイルス

マダニウイルスSFTSの予防対策と治療法―致死率30%・ワクチン無し凶悪ウイルス

マダニウイルスSFTSの予防対策と治療法―致死率30%・ワクチン無し凶悪ウイルス致死率30%の“マダニウイルス”SFTSが西日本に蔓延中
デング熱よりも致死率の高い恐ろしいウイルスが、西日本に蔓延しつつあるのをご存知だろうか。

タカサゴキララマダニとフタトゲチマダニという、2種類のダニを媒介とするウイルス、SFTS(Sever fever with thrombocytopenia syndrome)、重症熱性血小板減少症候群だ。

タカサゴキララマダニ。大型のマダニで、日本から東南アジアの広い範囲に生息している。ヒトだけでなくウマやイノシシなどに寄生する。 (国立感染症研究所)
タカサゴキララマダニ。大型のマダニで、日本から東南アジアの広い範囲に生息している。ヒトだけでなくウマやイノシシなどに寄生する。
(国立感染症研究所)

このウイルスは、マダニにかまれると感染する。

デング熱の比じゃない危険性
SFTSの潜伏期間は6~14日、高熱、下痢、嘔吐など症状はデング熱に似ている。

しかし、危険性はデング熱の比ではない。

意識障害や多臓器不全を起こし、死に至ることがあり、なんと致死率は30%に達している。

2011年に中国で発見され、日本国内では2013年1月に初めて患者が確認された。

これまで九州や四国などで96人が感染し、31人が亡くなっている。いずれも40代以上だ。脳の神経障害で失語症になった患者もいるという。

2013年1月に山口県の患者から検出されたSFTSウィルス。直径は1万分の1mm (国立感染症研究所撮影)
2013年1月に山口県の患者から検出されたSFTSウィルス。直径は1万分の1mm
(国立感染症研究所撮影)

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の症状

2014年6月に感染した、愛媛県の70代の男性によると、咬まれたとはまったく気づかず、1週間ほど微熱が続いたのでヘンだなと思っていたという。

そのうち体温が38度に熱が上がり食欲もどんどん落ちていく。

下痢が止まらず15分おきにトイレに行き、最後は水のようなものしか出ない。

病院でカゼ薬をもらうといったん治まるが、2~3日するとブリ返し、意識がもうろうとして立っていられなくなったという。

さらに嘔吐を繰り返し眠ることもできず、再び病院に行くと、血小板や白血球の数が異常に少なくなっていることがわかったのだという。

そして、男性の左太ももにダニに咬まれた痕があるのが発見された。

結局、約1ヵ月ほどで退院したが、現在でも目まいが治まらないという。

特効薬がなく治療は対症療法のみ

この恐ろしいマダニウイルスSFTSだが、残念ながら特効薬が存在していない。

熱が出たら解熱剤を使い、下痢が続いたら点滴を打つなど、対症療法を行い安静にしているしかないのだ。

殺人マダニの生息場所

殺人マダニの体長は4~10mmほど。公園や空き地などの草むらに生息するほか、民家の裏山や裏庭、畑、 あぜ道など、シカ・イノシシ・野ウサギなど野生動物が出没する環境に多く生息している。

そのため、農作業中の人々が咬まれるケースが多く、亡くなった大半が50代以降の中高年だ。

マダニウイルスを予防し、マダニから身を守る方法

マダニは4~11月が活動期だ。東日本にも生息しているため、注意が必要だ。

外で活動するときは、肌を露出しないことが大事だ。

ズボンのスソは靴下や長靴に入れ、帽子や手袋を着用、首にはタオルを巻くこと。半ズボンやサンダルは避けるべきだ。

国立感染症研究所昆虫医科学部が制作したSFTS資料より
国立感染症研究所昆虫医科学部が制作したSFTS資料より

マダニ専用の忌避剤(虫よけ剤)は国内で市販されていないが、ツツガムシ用途の虫除け剤が一定の効果があるので、それを使用してもよい。しかし、過信は禁物だ。

サラテクト

ベルミトール水性乳剤アクア(業務用)

家に持ち込まないことも大事
さらに、家の中にマダニを持ち込まないことも非常に重要だ。

屋外活動後の上着や作業着は、安易に家の中に持ち込まないようにしたい。ガムテープなどを使用して服に付いたダニを取り除くのは有効とされている。

シャワーや入浴の際も、 自分の体にダニが付いていないかチェックする。

マダニにかまれたらどうする?

それでは、マダニに咬まれたらどうすればいいのだろうか。

ダニ類の多くは、長時間(中には10日間以上も)吸血する。

吸血中のマダニを無理に取り除こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残り化膿することがあるため、焦って取り除かずに、皮膚科等の医療機関で、マダニの除去や消毒など、適切な処置を受けよう。

さらにウイルスの潜伏期間を考慮し、数週間程度は体調の変化に注意をする。

発熱等の症状が認められた場合は、医療機関で診察を受けるようにしよう。

すでに15県に広がっている“マダニウイルス”被害。少しの油断が、命取りになるため、マダニが生息する場所に行く際は注意したい。

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