梅雨から夏はダニパラダイス!
最近、体痒くないですか?
ジメジメする梅雨どきからムンムンと蒸し暑い夏にかけてはダニが最も元気に繁殖する季節だ。
ダニにとっては“パラダイス”といってもよい。
ほっておくと爆発的に増加し、秋に大量のフンや死がいによって、あなたもアレルギーを引き起こしてしまう可能性がある。
4軒の一般的な家庭の畳部屋を調べたところ、6~8月には1グラムのハウスダストの中に平均500匹以上のダニがいたという調査もある。(※日本環境衛生センター「ダニとその駆除」)
今回はダニを退治する正しい方法をステップに沿ってご紹介する。
ダニを退治するには、部屋の環境→布団→床→その他という順番で対策していくことが大事だ。
正しい駆除と予防のポイントをマスターして、フンや死がいが増える秋に備えよう。
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【ステップ1】自分の家にいるダニの種類と生態を知る
見えないけれど確実にダニはガンガン増えていく
家の中にいる有害なダニは主に5種類だ。
コナヒョウヒダニ(ヒョウヒダニ類)
人のフケ、アカ、その他有機物を食べて次々増殖。
死がいやフンがアレルギー性疾患の原因になる。
ケナガコナダニ(コナダニ類)
食品につくダニ。
人を刺すことはないが大発生するとコナダニを捕食するツメダニが増殖する。
フトツメダニ(ツメダニ類)
ヒョウヒダニ、コナダニを捕食する。たまに間違って人を刺す。
血は吸わないが痒みが1週間ほど続く。
イエダニ
ネズミに寄生する吸血性のダニ。
刺すと人から吸血して強い痒みを発生させる。
伝染病を媒介するなど厄介な存在。
マダニ(番外)
殺人ダニとも呼ばれる凶悪なダニ。
草むらなどに生息し、体長は3~4mmと大きい。吸血後は3~4倍の大きさに膨れ上がる。
人や犬を刺し、刺されると日本紅斑熱、ライム病、ダニ媒介性脳炎、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の感染症を引き起こす。
この中で最も数が多く、アレルギー性疾患の原因になるのがコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニだ。
0.2mm~0.4mmという小ささのために目には見えないが、人のフケやアカ、汗をエサとしているため、家のいろいろな場所に生息している。
基本的には家族の人数が多いほど、ペットがいるほど、ダニの数は増えていく。
ダニは卵から幼虫になるのに6日、そして若虫になるのにプラス11日、成虫になるのにプラス19日。
そして成虫は一生に約100個の卵を生む。
【ステップ2】ダニが繁殖する環境を今すぐ変える
ダニを駆除する前に、ダニが住む環境自体を除去しなければ、ダニは永遠に増え続ける。
掃除機を手にする前に、まず次に挙げる習慣や環境を改善しよう。
畳やカーペットをやめて可能な限り床はフローリングにする
畳やカーペットはいくら表面に掃除機をかけても中に入り込んだダニまでは吸い取れないのだ。
表面がツルツルなフローリングなど、逃げ場がないのでダニ退治もはかどる。
室内に水槽や鉢植えは置かない
ダニは乾燥に弱い生き物なので、ダニが好む湿気を減らすために水槽は室内に置かないのがベター。
また鉢植えの葉や土にはホコリが溜まりやすく適度な湿気でダニの温床になる。
掃除や洗濯は基本的に毎日行う
フケやアカ、汗1グラムで約300匹のヒョウヒダニが生息できる。
また、汚れた衣類の山は汗の湿気もあり、格好のエサ場になる。
掃除も洗濯もこまめに行うようにしよう。
二重敷きはやめて一枚だけにする
カーペットを畳の上に敷くのはもちろん、カーペットの上にラグを敷いて二重にする、座布団やクッションを置くのもやめたほうがよい。
部屋を閉めっぱなしにせずに晴れた日はまめに換気を行う
換気をするということは、湿度を減らすということだ。
晴れた日は換気と掃除をワンセットにして家の中を乾燥させるとよい。
ダニが好む条件とは?
1 人が住んでいること
人が出す食べこぼしや身体から落ちるフケ、アカ、汗をエサに生息
2 気温が20~30度、湿度50%以上
梅雨どきから秋のはじめにかけての季節がもっとも快適で増殖。乾燥には弱い。
3 風通しが悪く空気が動かない
部屋を締め切ったままだと部屋の湿度が下がらずダニに好条件になってしまう
4 隠れるヒダがある素材がある
ダニは隠れたり卵を産み付けられないツルツルしたところには住まない。
5 ペットを飼っている
犬や猫なども人間同様、食べかすや抜け毛がダニのエサとなる。
人が好む環境は、ダニも好む環境であるといってよい。
高気密高断熱の住宅が増える中、冬でもダニが減らないというケースも増加傾向にある。
ダニはゴミの量に比例して増える。
人や動物が多いほど増殖するのだ。
カーペットや畳などヒダがある素材に身を隠し、卵を産みまくるのだ。
畳の上にカーペットを敷いている環境は最悪だ。
畳自体にダニが大量発生するにも関わらず、カーペットのヒダにはさらに多く住み着くのだ。
ほかにもダニが住み着きやすい場所としてはソファ、座椅子、クッションなどの布製品。ぬいぐるみにはダニがびっしりついている、ということもある。
気になる人はダニの多い場所を調べるダニ相検査で本格的な調査をオススメする。
知らないうちに身近なものに生息して害を及ぼしてくるダニ。
家族の健康を守るにはまず行動あるのみだ。
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【ステップ3】布団のダニを除去する
布団は天日干しで乾燥させよう
環境が整ったら、本格的にダニを退治していく。
まずは布団だ。
布団ケアの基本は天日干しだ。
布団を日光に当てる目的は湿度の低下。
1日干すだけでダニが生息できないくらいに乾燥させることができる。
薄手の布団ならさらに乾燥機にかければ完璧だ。
ダニアレルギーの治療にはダニ0の防ダニ布団を使おう。
高密度繊維でダニの入り込みを防ぐ効果がある。
値段はそれなりにかかってしまうが、高い効果が期待できる。
乾燥機
ダニは52度の熱があれば30分で死滅する。
乾燥機にかける場合は60度で10分が目安だ。
シーツや枕カバーなど乾燥機にかけられるものは積極的に使用しよう。
天日干し
1日の中でいちばん日差しの強い午前10時から午後2時頃のあいだに表裏1時間程度干すとよい。
ダニが中に逃げ込む余地を与えてしまうため、布団たたきはNGだ。
【ステップ4】カーペット・ラグ・畳のダニを除去する
布団が終わったら、次に部屋のカーペットやフローリング、畳を掃除していく。
掃除のプロである清掃業者は、掃除機をかける際にちょっとしたテクニックを活用してダニを駆除している。
簡単にできることなのでぜひ参考にしたい。
カーペット・ラグ
もぐりこんだホコリを吸い込むようにする
カーペットは奥に潜り込んだホコリをしっかり取るために、まず色の濃くなる方向に掃除機をかけ、一定方向をゆっくり往復する。
次に最初にかけた方向に対して垂直の方向に往復でかけると万遍なく隠れたゴミやダニを吸い込める。
最後に粘着ローラーで仕上げると完璧。
畳
力を入れずに畳の目に沿ってホコリを吸う
畳の目にそって掃除機をかけると「い草」の表面を傷めることなくスキマのゴミやホコリが取れる。
掃除機を持つ手に力を入れずにゆっくりと動かすのが上手にホコリを取るポイントだ。
畳自体を定期的に天日干しにしたり業者に乾燥してもらうのもよい。
フローリング
モップを使ってムラなくササッと
ホコリを舞い上げないようにモップで掃除をするのがオススメ。
フローリングの目にそってモップをかけると板の継ぎ目にたまったホコリも取れやすくなる。
ホコリが床に落ちている起床後すぐや、帰宅直後のタイミングに習慣づけて実行するとよい。
掃除機で吸い取ったダニはゴミ袋の中で生き続けてその成分が送風口から出てくるおそれがある。
排気熱でゴミ袋の中のダニを殺せる掃除機だった場合でも、ダニの死がいとフン自体もアレルギーの原因となる。
掃除機の中のゴミ袋は満杯前でも2週に1度は取り替えよう。
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【ステップ5】掃除&ダニよけグッズでピンポイントにダニを除去する
薬もグッズも賢く使って快適に生活しよう
布団、床を掃除したら、薬剤を使いダニのいそうな場所をピンポイントで除去していく。
ダニを徹底的に減らしたい場合は、やはり薬剤が効果的だ。
ダニの数を減らす“駆除剤”と殺虫剤を使用しない“ダニよけ”を使い分けよう。
部屋全体のダニを減らすなら燻煙(くんえん)タイプの駆除剤を月一程度で使うのが◎。
そのあとは場所別に駆除していく。
使用後は掃除機をかけてダニよけで今後の予防を徹底する。
ぬいぐるみや枕などにはスプレータイプの駆除剤が有効だ。
部屋全体
燻煙(くんえん)・燻蒸(くんじょう)剤
最小限の煙で最大限の駆除効果
煙の中の有効成分比率を高め、日を使わず少ない煙で薬剤を拡散。各部屋1つずつ使うとベスト。
もう寄せ付けない!ダニよけ製品
置くだけの簡単ダニよけ
香料の中にダニが嫌がる複数の天然由来成分を組み合わせている。
肌が直接触れる部分にも安心
殺虫剤を一切使っていない上にすべて食品成分からできているので布団やぬいぐるみなどにも安心して使える。
ダニよけ効果をシーツに持たせる
柔軟剤投入口に本品を入れて洗濯するとダニを寄せにくい効果がシーツやカバーに現れ寝具類へのダニの侵入を防止する。
より気になるところに専用の駆除剤
嫌なニオイがなくペット対策も◎
速乾性で畳やカーペットを汚さず薬剤を噴霧。布製品全般に便利に使える。マダニも駆除効果あり。
ベタつかない速乾性スプレー
スプレーするだけで手軽にダニを駆除&予防。
布団、机、クッション、ぬいぐるみなどに使える。
キッチンにもダニを寄せ付けない
食べ物によってくるダニをシャットアウト
ダニは粉製品や乾物なども好む。
開封後の粉製品の内部でダニ類が大量に繁殖しそれを食べることでアレルギーを起こす事例があると報告されている。
開封後は密閉容器に入れ、冷凍庫へ保存するのがベストだ。
ダニはアトピー性皮膚炎、喘息の原因の8割以上
実は、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の人はダニが原因であることが多い。
家の中のダニが原因でアレルギー性疾患が起こることが多々あるのだ。
代表格がアトピー性皮膚炎と気管支喘息。
薬物療法で治らないようなら家のダニ検査を受け、対策を講じる必要があるほどなのだ。
ダニは死がいもアレルギーを引き起こす原因となるので夏に増やさないことが肝心だ。
まとめとおさらい
いかがだっただろうか。
ここまでダニを退治する方法をステップに沿って紹介してきた。
ダニを退治するには、まずダニの温床である部屋の環境を変え、その後に布団、床、ピンポイントで洗剤を使用していくことが大事だ。
アレルギーになる前に、早めの対策をおすすめしたい。
ダニやカビなどが含まれているハウスダストは1mm以下の肉眼では見えない大きさでふわふわと空中を舞っているので存在を確認できない上に体内にも入りやすい。
そのためお掃除はハウスダストが床にたまっている起床後すぐや帰宅直後にするのがいちばん良い。
床の上や家具の上はもちろん、衣類を着脱する洗面所や電化製品の配線部分、家具の隙間などにも多くたまっているのでマメに掃除するべきだ。
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