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北朝鮮ミサイル発射―日本のどこに落ちる?落ちたらどうする?地下が一番危険な理由

北朝鮮ミサイル発射―日本のどこに落ちる?落ちたらどうする?地下が一番危険な理由

北朝鮮が日本に核ミサイルを撃ってきたら
2017年4月、北朝鮮で戦争勃発が秒読み段階に入っている。

2017年3月6日、北朝鮮は日本海に向けて4発同時にミサイルの発射実験を行い、その際に標的は「在日米軍基地」と明言。

また、「演習では緊急時に在日米軍基地攻撃を担当する北朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊が参加した」と発表。

戦争が始まった際、北朝鮮が真っ先に攻撃するのは日本なのだ。

今回は、北朝鮮がミサイルを撃つ場合、日本のどこを狙うのか、日本はどう防ぐのか、撃たれたら私たちはどうすればいいのかを解説する。

日本のミサイル防衛システム。
引用元:週刊SPA! 2017年4月25日号 5ページより

北朝鮮の核ミサイルの破壊力

北朝鮮が撃ってきたミサイルに核爆弾が搭載されていた場合、どれくらいの破壊力があるのか。

北朝鮮の核兵器の威力はTNT爆薬3万トン程度といわれている。

ちなみに2017年4月にアメリカがイスラム国のアジトに撃ち込んだ最強の爆弾「MOAB(モアブ)」は、TNT爆薬9トン程度だ。

桁が全然違うのだ。

広島に撃ち込まれた核兵器はTNT爆薬1万5000トン。

つまり北朝鮮の核兵器の威力は広島原爆の2倍程度の破壊力だと見られている。

参考程度に、人類史上最大の核爆弾「ツァーリ・ボンバ」はTNT爆薬50メガトン。

撃ち込まれた場合、東京がまるごと蒸発してしまうレベルだ。

核兵器の破壊力を、小型ミサイルと同等に考えてはいけないのだ。

広島原爆以上の悲惨な事態が起こる可能性があることを、私たちは理解する必要があるのだ。

日本国内に撃たれたらほぼ確実に着弾する理由

北朝鮮が100発、1000発のミサイルを同時に発射する「飽和攻撃」に出た場合、日本国内の着弾はほぼ確実と見られている。

飽和攻撃とは、例えば日本にある特定の基地めがけて何十発もの弾道ミサイルがほぼ同時に北朝鮮の異なる場所から発射されることを指す。

2017年現在、北朝鮮が現在保有しているとみられる移動式発射台の数(最大40台とみられる)だけ、少なくとも40発程度の同時発射はすぐに可能なのだ。

イージス艦とPAC-3が処理できるミサイルは同時に2発までなので、同時に40発も撃たれたら、すべて迎撃することは不可能なのだ。

実際に北朝鮮でのミサイル発射実験では同時に複数発を発射している。着弾させる気マンマンなのだ。

防衛省関係者は現時点で核弾頭をどれほど保有しているかはわからないとしているものの、サリンやVXといった生物・化学兵器を搭載できるミサイルは300発程度保有していると見ている。

北朝鮮がミサイルを撃ち込む可能性が高い場所

北朝鮮が核兵器を撃ち込む可能性が高いのは、横須賀・普天間などの基地のある場所や、インフラを担う大都市だと見られている。

特に危険だと見られているのは、以下の箇所だ。

パトリオットミサイル(PAC-3)がガッチリ守っている東京・沖縄

戦略的に、「あそこに撃ったら落とされるというところには撃たない」という考え方がある。

「パトリオットミサイル(PAC-3)がガッチリ守っている東京・沖縄には撃ってこないだろう」というのはひとつの見方だ。

パトリオットミサイル(PAC-3)

しかし、パトリオットミサイル(PAC-3)の射程範囲は15~20キロ。

市ヶ谷の防衛省に設置されているPAC-3では、山の手線の内側は守れるがそれ以外のエリアは迎撃の範囲外。

カバー範囲は意外に狭いのだ。

パトリオットミサイル(PAC-3)の防衛範囲。

数発の同時発射をされた場合、イージス艦SM-3の迎撃網をすり抜けて東京にミサイルが飛来し、PAC-3でも処理しきれず着弾してしまう可能性が高いのだ。

標的を「在日米軍基地」と明示しており、さらに発射訓練で同時発射を行っていることから、実は防衛が手厚い東京・沖縄に対して大量の核ミサイルを打ち込んでくる可能性もある。

防衛策皆無の京都と大阪

京都と大阪には何も防衛策が無い。

京都と大阪を狙った場合、イージス艦がミサイルを迎撃できなかったら、もれなく着弾してしまうのだ。

特に大阪の梅田付近で核爆弾が爆発した場合、想定死者数は48万人、想定被害者数88万人と、東京都内よりも被害が出ることが予想されている。

北朝鮮側はPAC-3がどこに配備されており、どこに配備されていないのか当然知っている。

防御策が何もないのであれば、東京に次ぐ人口密集地である大阪や、貴重な文化遺産や日本文化の象徴である京都を標的にする可能性は高い。

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爆心地にいたら助かるのか

北朝鮮が中距離弾道ミサイルに核兵器を搭載した場合、威力は広島の1.5~2倍と見られている。

着弾地点を中心として致死率90%の地域は半径2.5キロメートル。

あなたが着弾地点の半径2.5キロメートル内にいた場合、核爆弾が投下された瞬間、カメラのフラッシュのような閃光を見た直後、苦痛を感じることもなく消失する。

残念ながら爆心地から2キロ範囲は助からないと言ってよい。

地下にいたとしても、核爆弾が地上で炸裂した場合、爆心地には深さ60メートルのクレーターができる。

日本で一般人が立ち入ることができる最も深い地下空間は大江戸線六本木駅の地下40メートルだが、地上で炸裂した場合は地下もろとも消失し、クレーターになってしまう。

半径4キロであれば、現在の建築基準法に照らし合わせた鉄筋コンクリートの中にいれば大丈夫だが、衝撃波が来ることに備える必要がある。

北朝鮮が核兵器を撃ってきた場合の流れと対処

核兵器が日本に着弾することになった場合、時系列に分けて大きく行動が異なる。

1まず最初の衝撃波を回避する
2落ち着いたら核の汚染から逃れる

大まかにいうと、この2ステップを踏む必要がある。

最初の衝撃波を回避するために地下に潜りこんだはいいが、そのまま数日間おなじ場所でじっとしていた場合、空気よりも重い放射性物質が地下に流れ込んでくるため、あなたの体が汚染されてしまうのだ。

最初の衝撃波を回避する

まず、北朝鮮が発射した核ミサイルが日本に着弾する恐れがある場合、Jアラートが発動する(国民保護サイレン)。

 
この音が携帯で鳴ったらすぐに地下や頑丈な建物に逃げ込む必要がある。

北朝鮮がミサイルを発射してから日本に着弾するまでには10分程度とされているが、自衛隊の見立てでは7分程度とされている。

さらに、発射と同時にJアラートがなるわけではない。

つまり、発射から5分後にJアラートが鳴った場合、あと1~2分しかないのだ。

内閣官房の国民保護ポータルサイトではJアラートのミサイル発射情報が流れたら「頑丈な建物や地下街」などに屋内避難するように勧めている。

とにかく走って建物に入ることが大事なのだ。

建物に入らなかった場合、光を見た瞬間に人体は消失してしまう。

逃げ込んだ場所が爆心地だった場合は残念ながら助からないが、半径4km範囲では、建物に逃げ込むか否かが生死を分ける。

建物に逃げ込んだら、窓から離れる。

窓の近くにいた場合、熱線を浴びてしまうことになるからだ。

衝撃波を避けるには、耳を手で覆い、目を閉じて口を開き、お腹を地面につかないように伏せた姿勢を維持する。

これによって鼓膜や内臓へのダメージを抑えることができる。

最初の衝撃波をやり過ごせたら生存率はぐっと上がる。

核の汚染から逃れる

10分以上爆風や衝撃波が来ないことが確認され、第一撃を免れた場合、次に懸念しなければならないことは核の放射能だ。

実は、核兵器は爆発の威力は凄まじいが、発生する放射性物質量は、福島原発事故に比べると少ない。

放射線量(放射性物質量)
広島原爆 約0.5京ベクレル
福島事故 約100京ベクレル

しかし、それでも爆心地で発生した放射性物質を大量に浴びてしまった場合、あっという間に死に至ることは、私たちが福島の経験からすでに学んでいることだ。

逃げるときは風向きと高さが大事

放射線物質は複雑な構造をしているので空気より重く、沈殿する性質を持っている。

300メートルより上に行けないとされ、新宿の高層ビル群を超えることもできないのだ。

そのため、放射線物質は地下鉄や地下街に流れていく。

第一撃をまぬがれ、爆風が収まったら風向きを見て早急に避難する必要があるのだ。

放射性物質は風によって流れるので、半径何キロ以内は避難しなさいという指示はそもそもナンセンスだ。

風の方向に避難すると追いかけてくるため、風向きと直角に逃げることが大事だ。

チェルノブイリも福島も放射線は10キロぐらいの幅でしかないため、爆心地と風向きを確認したら、できるだけ風向きの角度とかぶらないように逃げること。

福島原発事故発生直後の風向きと放射能の関係

死の灰を防ぐ

核爆発によって、放射能によって汚染されたチリやゴミ、粉塵が舞っている。

これは福島原発事故でも恐れられた放射性降下物、通称「死の灰」だ。

死の灰を皮膚や粘膜に浴びると、火傷、頭痛、嘔吐、眼の痛み、歯茎からの出血、脱毛などの急性放射線症状が発生する。

避難時に死の灰を浴びることがないように、マスクはもちろん、防護服を家庭に常備しておくのがいいだろう。

また、水さえあれば人は2週間生きられる。

給水車などで水が供給されるようになるまでに何日かかるかは地理的な条件によって変わってくるが、とりあえず3日かかるとした場合、4人家族の場合、3日分で2リットルのペットボトル18本分は用意する必要がある。



ミサイルを発射する前に発射台をすべて壊すことはできるのか

北朝鮮は、弾道ミサイルのノドンやムスダンに核爆弾を搭載し撃ち込んでくる可能性が高いと見られている。

地下サイトは米軍に位置を把握されているのでトマホークミサイルですべて破壊可能だが、問題なのは移動式発射台。

山間部の森林に隠れるなどして温存を図るのは間違いがなく、日本はここから発射されるミサイルに対応する必要があるのだ。

アメリカが先制攻撃を行う場合、取る方法はいくつかある。

ひとつは外科手術的攻撃という意味の「サージカルストライク」。

各施設やミサイル拠点などをトマホークなどの精密誘導兵器を使ってピンポイントで叩く。

攻撃主力はイージス艦、巡航ミサイル原子力潜水艦、護衛艦部隊。日本海、黄海の両方から二時間で最大1000発のトマホークを撃ち込む。北の軍事拠点は壊滅的な打撃を受けることになる。

寧辺(ヨンビョン)の核関連施設など対照は700ヶ所に上るとされている。

しかし、米軍の力を持ってしても北のミサイル基地を完全に破壊することは難しいとみられている。

移動式発射台は森の中や地下に隠すこともできるので、反撃可能な設備がある程度残ることは覚悟しなければならないのだ。

日本に撃ち込んでくると予想されるミサイルの種類

北朝鮮が日本にミサイルを撃ち込む場合、ミサイルの種類は中距離弾道ミサイル「ノドン」と「スカッドER」だと見られている。

この2種類は、いずれのミサイルも韓国全域と日本の大部分の地域を射程範囲に収め、かつ核兵器を搭載することができる。

ノドンは古いが実績がありイランなどに輸出されている。

スカッドERの発射実験は2016年に3発同時、2017年3月にも4発同時に発射している。

まさに日本の防衛システムを突き破るためにミサイルの同時発射(飽和攻撃)を実験しているのだ。

北朝鮮の主な弾道ミサイル

テポドン(大陸弾道ミサイル。ICBMと呼ばれるもの。射程13,000キロ)
ムスダン(射程4,000キロ。日本全土を射程に収める。生産が容易で大量配備の可能性あり)
ノドン(射程2,000キロ。小型で車両に積める。東京や大阪に落ちてくるとすればこのミサイルと予想される)
スカッド(射程600キロ。九州には届く)
KN-11(潜水艦から発射されるので発見が難しい)

日本で核爆弾が爆発した際の想定死者数

米国防総省が使用する軍事シミュレーションソフトを使い米韓の研究者が算出した『ウォー・シミュレーション』では、12キロトンレベルの核爆弾が東京で地表爆発した場合、死者は42万人を超えるとされている。

爆心地が東京・国会議事堂付近の場合

想定死者数
42万3527人
想定被害者数
81万1244人

爆心地が大阪・梅田付近の場合

想定死者数
48万2088人
想定被害者数
88万1819人

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