2014年(平成26年)4月に8%(消費税6.3%/地方消費税1.7%)になる消費税。
2014年の経済は明るい兆しが見えた感があるが、消費税増税にくわえ、さまざまな税負担、円安により所得の二極化が進み所得格差がさらに開く可能性がある。
景気のいい企業など一部の人は潤うけれど、それが全ての人までは回ってこないうえに、リストラなどもまたあるのではないかと推測されるのだ。
今回は2014年、あなたの家計を守るポイントを要所を押さえて解説しよう。
値上げ品目はズバリこれ!
日銀の打ち出した消費者物価指数2パーセントアップを実現させるには、円安が進んで、輸入物価が上がるというシナリオしかない。
賃金が増えて消費需要が上がり、物価が上昇するという展開が本当の景気回復。
しかし、アベノミクス理論ではまず大企業の利益を上げることで、上から下に滝の水のように利益が流れることを狙っているが、今後これには問題がある。
アベノミクスは好材料が出尽くした感があるため、景気の下振れが予想されるのだ。
上から下に流れるとはいっても、大企業は人件費を削減するなど、内部留保をなかなか社員に還元しようとしない。
そこで起こりそうなことは、賃金は上がらず、円安が進んで輸入物価が上がり、買い控えが起こり、結局デフレから脱却できないという悪魔のシナリオだ。
円安が進むと、価格に反映されるのは肉、穀物、石油やLNG(液化天然ガス)などの原材料系がすべて対象になる。
実際に円安でLNGの輸入は2012年には3.6兆円に拡大している。
これは最終的に電気代となって値上げされるものだ。原油価格、ガソリンも上がると予想される。
食料品項目は輸入原材料絡みはすべて値上げ対象
気になる食品項目だが、日本の食品メーカーなどは輸入の原材料頼みだ。パンやパスタはもちろん、冷凍食品など加工品やファストフードなどは値上げをしたいところだ。
ただこれまで、企業は人件費を削るなどの自主勢力であまり店頭価格には反映させてこなかった。
しかし、今後はどこまで耐えられるかわからない。
安い商品の後ろで泣かされている下請け企業の存在も忘れてはならない。
賃金が上がれば、消費も増えて、企業も救われることになるのだ。
そこで、私たち消費者にできることは日本の製品に目を向けることだ。
たとえば海外メーカーのパソコンやテレビなど、電化製品全般は今後10〜20パーセント程度の値上げをするものも出てくると予想されている。
家具やブランド品も同様だ。
この際、国産のナショナルブランドに目を向けて日本の景気を支えるべきなのかもしれない。
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あなたの家の好景気は、あなたの家の基本給で決まる
昨年末に発表された厚生労働省の毎月勤労統計調査では、賞与と残業手当の支給額は上がっている。
しかし基本給にあたる所定内給与は、17ケ月連続で下がったままなのだ。
儲かれば企業は一時的に賞与に反映させるが、ただしそれは1回限りかもしれないのである。
いま日本では約4割が非正規雇用のため、ボーナス自体をもらっていないという人もいる。
ではいったいどこで景気を判断しなければならないかというと、それはズバリ基本給。
それもよそのお宅の数字ではなく、わが家の基本給が肝心なのだ。
かつては日本全体が好景気に沸いたものだが、いまやお隣と、わが家の景気は同じではないということだ。
お隣の好景気ムードに流されてはいけないのだ。
好景気の判断材料は、春闘で給料が上がるかどうか
ではどこを指標とすればいいのか?それは来年の春闘で給料が上がるか否か。
給料が上がることが確定してもいないのに、世間の好景気ムードだけで大盤振舞いをしてしまっては大きな落とし穴もあるということだ。
それぞれの基本給が上がれば『景気がよくなった』と実感してもいい。
しかし、その感触がないうちに、住宅ローンなど大きな買い物をしてしまうと、かなり苦しい展開がありえる。
一方、賃金がどうなるかわからない中、2013年に引き続き、2014年も物価はじわじわ上がっていくと見られている。
電気代やエネルギー、社会保険料や消費税は確実に値上げ。原材料や石油系など輸入頼みの商品も、企業は値上げを発表している。
そんな中で基本給が上がらなければ可処分所得がますます減ってしまうという事態になってしまう。
3%の大打撃をこうむるのは事業者
特に気をつけるべきなのは、消費税を負担しなければならない事業者だ。
4月以降にかなり厳しい展開が予想されるのだ。
3%の増税分を価格に転換できる企業はいいけれと、その分をかぶらなければならないところは、大変だ。
仮に今まで消費税を200万円納めていたら、3%上がると320万円を納めなくてはならず、利益が少ない中で120万円の負担増は痛手なのだ。
その分、経費削減となって人件費にしわ寄せがきたら目も当てられない。
消費者にとっても4月以降の+3%の増税はかなり厳しい。
軽減税率の導入はまだ先のことになるので、この負担増は、庶民のお財布を直撃することになりそうだ。
かといって消費税が上がる4月までに駆け込みで大きな契約を結ぶことは禁物。
煽られて不要な出費をしてしまわないよう気を付けるべきだ。
日々の家計もいままでと同様に引き締めていく心構えで。
消費税8%を生き抜くために
サラリーマンの家庭は4月の春闘まで我慢して様子を見ることだ。
そこでまず、昨年までどうしても赤字を出してしまっている人は、まず1カ月でも家計簿をつけて家計をクリアにしてみることが大切だ。
収支をしっかり洗い出し、ムダはどこにあるか、削減できるところはどこか家計を見渡して再検討することをおすすめする。
家計簿は1年間つけられれば理想だが、1カ月でも、1週間(×4.2で計算)でも書いてみる。
実際どこを引き締めるか。いままで積み重ねてきた節約ワザを地道に続けるだけでなく、さらに進化させていく。
食材を使い切れず捨ててしまうことはないだろうか?
ここは“聖域”と思って削れなかった教育費や通信費なども、本当に全て必要なのか、ご家族で話し合ってみてもいいだろう。
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