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台風12号・13号…進路が気象予報士でも読めない2015年7月“鈍足型”台風の恐怖

台風12号・13号…進路が気象予報士でも読めない2015年7月“鈍足型”台風の恐怖

進路が急に変わる、突然巨大化、梅雨前線を刺激!
沖縄地方を襲った台風9号とほぼ同時期に発生した10号と11号。

2015年7月、梅雨まっただ中の日本を脅かした3つの台風だ。

7月のトリプル台風は、2002年以来、13年ぶり。

11号の後にも、12号が発生した。さらに新たな台風が1〜2個発生すると見られている。

さらに、この7月の台風の恐ろしさは、“ノロノロしていて進路が予想できない”ことにあるという。

7月のレジャーに私達はどのように備えればいいのだろうか。

2015年7月から7月末にかけて発生する台風に対して、ウェザーマップの気象予報士・増田雅昭さんが解説する。

2015年7月は「台風が発生しやすい」時期

増田さんによると、台風には“発生しやすい時期”と“発生しにくい時期”という周期があるという。

その周期はだいたい3〜6週間。

今はちょうど、“台風が発生しやすい時期”が続いているそうだ。

2015年5月初旬まで台風の発生が多かったのだが、それが5月中旬ごろからピタッと止まり、その後1ヶ月半くらい台風が発生しない時期に入った。

この間は海水温の上昇、そして大気中に蓄えられている熱がどんどんため込まれる状態だった。

増田さんはこれまでの台風予測データーや周期などを分析しながら発生する釣行をずっと中止していたところ、6月下旬ことからたまった熱エネルギーが一気に放出されそうだったので7月の台風ラッシュを予想したという。

2015年7月はたまった熱が次々に台風として姿をあらわす可能性が高いのだ。

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7月の台風は鈍足だからコースがふらふらする

2002年7月のトリプル台風(6、7、8号)は3個中2個が日本列島をなめるように上陸。

当時このトリプル台風によって停滞していた梅雨前線の活動が刺激され、全国各地に記録的な大雨をもたらしている。

さらに土砂災害、竜巻とみられる突風、土石流が発生し、川も氾濫。床上・床下浸水被害は1万175棟、死者6人、行方不明者1人、負傷者29人を出す大災害となった。

7月の台風はスピードが鈍い鈍足型であることが特徴だ。

そのため台風による影響が長く続くのだ。

つまり雨は長雨となり、その後大雨につながるという雨台風だということだ。

台風のスピードは遅いということは、それだけ日本列島の上空に雨雲がかかった状態が続くということ。

そして今の時期は梅雨前線がすでに張りついているので、その合わせ技によってかなりの大雨をもたらす危険性をはらんでいるのだ。

ただでさえ雨が多い梅雨の時期に真打ち登場とばかりに雨台風が追い打ちをかけて襲ってくる。

そしてその台風が、再び同時多発してやってくるかもしれないから、ますます不安である。

鈍足型台風のコースを予測できない理由

台風が同時多発すると互いの進路やコースを刺激しあって変な動きをすることがある。

特に7月の台風は不安定でコースを予測することがとてもむずかしいという。

自転車に例えるとハイスピードであれば安定してまっすぐ進めるけどもスピードが遅ければ安定性が悪くなってふらふらする。

台風もこれと同じで、鈍足型は不安定でふらふらするのでコースが読みづらいのだという。

迷走しながらゆっくり動き、勢力を維持しながら接近してくるのだ。

過去のデーターには同時発生した2個の台風が互いに刺激し合い、1個は通常とは逆の時計回りに回転して、進路を北西から北東に変えた例がある。

ほかにも小型の台風が大型の台風に吸収されて巨大化し、迷走したケースもある。

進路予想が難しいとなると、仕事やレジャーといったわれわれの日常生活に影響が出ることも覚悟しなければならないだろう。

日本列島のどこにでも上陸する危険性がある

増田さんによるとこの時期の台風は沖縄の南の洋上あたりで発達のピークを迎えるため、沖縄周辺の警戒がとくに必要だと注意喚起する。

7月の台風で一番直撃を受けやすいのは沖縄。

そして台風の勢力が弱まらない場合は、強い状態のまま九州方面に北上。

そこから東へカーブして関東、東北方面に進むことも十分考えられる。

コースに関しては日本列島をなめるような感じで横断する可能性もある。

これから発生する台風は日本列島のどこにでも上陸する危険性があると考えておいたほうがいいだろう。

台風11号の進路。
台風11号の進路。

梅雨前線と絡まると土砂災害の危険が

そして、今後もっとも注意することは、やはり大雨による自然災害の発生だ。

梅雨前線が日本上空にかかっているので台風が近づく前から雨が降っている状態なので、そこに台風がやってくればより激しい大雨となり災害につながる危険性が高まるのだ。

とくに要注意なのは土砂災害。

長雨で地盤が緩んでいるところに雨台風が襲い掛かるとかなり危ない状況になる。

災害級の大雨が各地で被害をもたらすかもしれない。

鹿児島県などは6月の時点で相当な雨が降っているので今後直撃を受けた場合は大規模な災害が起きてもおかしくないのだ。

7月台風はゆっくりと大雨をもたらしながら迷走し、最後に上陸する可能性がある。

しかも上陸しない場合でも日本から遠く離れた場所から梅雨前線を刺激して大雨を降らすという、非常に厄介な台風なのだ。

川の氾濫、洪水の危険性もある。

海や山など遊びに行く予定のある方は、慎重に慎重を重ねたほうがいいだろう。

2015年の夏は晴れたり雨が降ったりと不安定

ところで、この時期に台風が多発した場合、梅雨明けは例年より遅くなり、冷夏になる可能性が高くなるという意見がある。

冷夏かどうかは、台風11号が去ったあとに大気圧がどういうふうに張り出してくるかによって変わってくるという。

仮に夏の高気圧が張り出してきて、あっさりと梅雨明けしても、それがずっと続くわけではない。

高気圧が息切れして雨が降りやすくなることもある。

雨が降るとそれほど暑くならないため、気温は低くなる。

カラッと腫れたり、雨が降ったりが繰り返される、今年の夏は波のある不順な天候になる恐れがある。

これからレジャーシーズンだが、7月の台風の動きは予想できないため、安易に晴れを想定しただけの準備で出かけるのは危険だ。しっかり台風が来ることも準備してから出かけよう。

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