早ければ2019年1月から新元号に
天皇が生前退位の意向を表明した。
政府は2019年(平成31年)1月に皇太子が新天皇に即位し、元号を改める方向で検討に入った。
宮内庁の西村泰彦次長は「行事が集中する1月1日の即位は困難」と発言。
譲位と改元に向けた具体的なスケジュール作りが動き始めており、まさに今調整が行われている最中なのだ。
新元号は、早ければ2018年前半にも新元号が発表される予定。
平成の次の新しい元号は、「大化の改新」(645年)以来248番目となる。
識者予想は「喜永」「景永」「文長」。その予測理由とは
新元号の決定は極秘裏に進められ、さらにメディアにスクープされた元号は候補から外されるため、予想は非常に困難だ。
しかし、元号の歴史に詳しい東京大学特任助教(社会学)の鈴木洋仁(ひろひと)氏は
『喜永』『景永』と予想する。
まず大きな理由としては、「これまでの元号はすべて中国の古典から採用されてきた」ことだ。
たとえば『平成』の出典は史記と書経。
従来の慣習から、おそらく今回も中国の古典から選ばれる可能性が高いという。
しかし、日本書紀や日本人の漢詩文集など自国の古典から採用すべきという議論もある、
一部の専門家からは「平仮名を採用せよ」という意見もあるという。
過去に29回も使われている人気の字である『永』が入ってくる可能性は高めであり、さらに縁起の良い字と組み合わせて、『喜永』『景永』あたりが予想されるという。
また、見逃せない候補として「文長」がある。
これは元号候補に24回も上がっており、かつすべて落選している幻の元号なのだ。
今回も候補に上がることを注目する識者もいるそうだ。
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新元号の決め方
元号はどうやって決められるのだろうか。
ここでは、『平成』が決まった時を例に解説しよう。
『平成』の時は、昭和天皇が崩御する前から新元号選定が極秘裏に進められていたという。
まず竹下登首相(当時)が漢学者ら数人に依頼し、候補名を提出させた。
そのあと、法制局長官とも協議のうえ、『平成』『修文』『正化』の3案に絞られたのだ。
昭和天皇崩御の報を受け、首相官邸では『元号に関する懇談会(元号懇)』が開かれた。
有識者8名に示して意見を求め、政府が第一案としていた『平成』が全員の賛同を得て、閣議を経たうえで官房長官が発表という流れになっていた。
元号の歴史に詳しい東京大学特任助教(社会学)の鈴木洋仁(ひろひと)氏は『平成』が決まった当時を振り返る。
元号懇のメンバーは会議中、『記者につかまってしまう』との理由から、トイレに立つことも許されない厳戒ぶりだったそう。
官房長官の小渕(恵三)氏が掲げた『平成』の文字を書いた総理府人事課の役人ですら、『平成』を知らされたのは発表の20分前だったほどだという。
元号は誰が決めるのか
今回の新元号はいったい誰が決めることになるのか。
元号の歴史研究の第一人者である京都産業大学名誉教授の所功(ところいさお)氏の解説によると
文化勲章受章者・日本学士院会員クラスの漢学者・国文学者・歴史学者など数名が新元号の「考案メンバー」に選ばれるという。
しかし、個人名は公表されない。
そして、提出された候補の中から新しい元号を決定するメンバーは別にいる。
決定メンバーは前回の『平成』同様、日本新聞協会会長、NHKと民放の会長、国立大学協会会長など数名だと見られている。
元号決定の知られざるルール
実は、新元号の決定には知られざるルールがある。
最低限決まっていることは、2文字・わかりやすい・一般的に使用されている言葉ではないこと。
また、アルファベット表記の際、明治以降と同じ頭文字になる、M・T・S・Hで始まるものは避けられる。
地名や人名などの固有名詞に同じものがないかということもチェックされる。
中国の歴代皇帝の名までさかのぼって検証される非常に骨の折れる作業だという。
さらに、メディアにスクープされたものも除外されるという。
すでに「候補」は決定済み
2017年2月の現時点で、いくつかの候補は決定している可能性が高い。
そのなかから、どれが元号に選ばれるのか。新天皇として即位する皇太子は、その時58歳だ。
言いようのない、どんよりとした不安な空気が流れる今の日本を一新させてくれるかもしれない新元号の発表が今から楽しみだ。
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