首落ちダンスでアメリカン・ドリームをゲットした蛯名さんに迫る!
ダンスパフォーマー・蛯名健一(39歳)さん。
実はアメリカでは、イチローや上原浩治に並んで、名前の知られた日本人だ。
2013年の9月、姥名さんは米国で絶大な人気を誇るオーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント(以下、AGT)」に参加し、日本人として初めて優勝。
この番組はアメリカのNBCネットワークで放送され、イギリス版では歌手のスーザン・ボイルらを輩出するなど、世界的な影響力を持っている。
番組の優勝者は、100万ドル(およそ1億円)もの賞金を獲得、見事にアメリカンドリームを成し遂げるというわけだ。
審査員が絶叫した「首落ちダンス」!
実際にもらえるお金は3000万円
蛯名さんによると、実は賞金はまだ手にしていないのだという。
夢のない話だが、一括払いだと税金で引かれて手元に残るのは3000万円くらいになってしまうそうだ。
そのため、税率が低い40年の分割でもらうことを考えているという。
家や高級車を買うとかは考えておらず、今のところ生活に変化は無いそうだ。
しかし、街中で声を掛けられるようにはなったのだとか。
海外でケンイチ、ケンイチと呼ばれる超人気者!
実際、公演の行われた巨大力ジノホテル『MGMグランド』の周辺を歩くと、米国人に次々に写真をせがまれる。
「ケンイチ」は苦手な発音であるにも関わらず、誰もが親しみを込めてファーストネームで声をかけてくるのだ。
蛯名さんの波瀾万丈ダンス人生
蛯名さんは神奈川県出身。20歳の時に米国の大学へ留学。
現地の大学の新入生歓迎ダンスパーティに参加したことをきっかけに、ダンサーを志すようになった。
ダンスは高校生の時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!』の「ダンス甲子園」を見て興味を持ち、パーティでパフォーマンスがウケるようになったあとは、ヒップホップのビデオをスロー再生で観ながら、独学で練習するようになったという。
卒業後は大学のあったコネティカット州から2000年にニューヨークに拠点を移動。ショーに出演するようになる。
マイケル・ジャクソンやマドンナのバックダンサーオーディションに参加したこともあったが、そこで屈辱的な経験をする。
「マイケルのオーディションでは、審査員の前に立っただけで、踊ることなく落とされました。ボクの160cmという小柄な身長や痩せた体つき、つまり見た目の段階で受からなかった。それで自分の目指すべきステージは違うな、と痛感しました。」
そこで蛯名は、ダンスやパントマイム、マジック、マーシャルアーツ(格闘技)を混合した、まったくオリジナルのパフォーマンスを編み出した。
彼はダンススクールで講師をして収入を得ながら、ダンスのコンテストがあると聞けば参加して賞金をさらっていくようになる。
出場するもの全てに勝利していたが、けっして生活は楽ではなかったそうだ。
パフォーマンスだけで食べていけるようになったのは最近
ダンススクールの講師代があったのでなんとかなってはいたが、パフォーマンスだけで食べていけるようになったのはほんとに最近なのだという。
『AGT』の決勝では、頭が身体から落ちるパフォーマンスで視聴者の心をつかみ、ロボットダンスや映画『マトリックス』を彷彿とさせる動きでダメ押しした。
「首が落ちるパフォーマンスは、萩本欽一さんが出演されている『全日本仮装大賞』で観たアイデアに着想を得て、生みだしたマジックだという。
蛯名さんが参考にした『全日本仮装大賞』の映像
当時は会場内とお茶の間で絶叫が起きるほど、ものすごい話題になったマジックだ。
もう10年以上やっているが全世界のどこに行っても笑ってもらえるのだという。
首落ちダンスの種明かし!
この首落ちダンス、実は原理は単純だ。
首が落ちる瞬間に90度お辞儀をして、正面を見て、両手で頭を支えるという格好をする。
コートは、中から針金やワイヤー等で作った骨格で支えており、90度お辞儀をしてもキープされるのだ。
横から見るとお尻を突き出した格好になるため、真正面で演じないとばれてしまうというわけだ。
しかしながら、このマジックは、簡単にできるものではない。
実際にやってみると、立った状態でから急激に90度お辞儀をして、正面に顔を向いた状態で手の上に乗せるというのは非常に難しいのだ。
本当に落ちているように見せるためには、かなりの練習が必要とされている。
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見よう見まねの「なんちゃって芸」を魅せる技術
蛯名さんによると、自分自身のパフォーマンスを構成する全部が「なんちゃって芸」なのだとか。
すべての芸が見よう見マネのB級だが、それをミックスさせ、音楽や映像などの演出を加えて、エンターテインメントとして総合的に魅せる。
だから、素人の方でもわかりやすくて楽しんでもらえると思うのだという。
マドンナにも高く評価!
蛯名さんはマドンナにも高く評価されており、数年前には彼女が息子や娘の誕生日に開くパーティに呼ばれたほど。
1度目はチェコのプラハで、2度目はニューヨークの彼女の自宅で、蛯名さんはパフォーマンスを披露した。
さらにマドンナには、『AGT』出場に必要なグリーンカード(米国永住権)取得の際の推薦状を書いてもらったというから驚きだ。
『AGT』は、自分のプロモーションになるかなと思って参加したのだという。
視聴者の投票で評価されるとの番組で、優勝できたことが自分にとって自信になったのだという。
2006年に結婚。今後の目標は東京五輪の開会式!?
蛯名さんは、2006年に結婚。娘の小学校入学を機に日本にも自宅を構えたが、現在は同番組の全米ツアーにメインキャストとして出演中だ。
まだ凱旋帰国はできていない。携帯電話は仕事の依頼でひっきりなしに鳴り続けるという。
「今後は日本やアメリカだけでなく、ヨーロッパ、南アメリカでワンマンショーをやりたいですね。夢は東京五輪の開会式の演出。その仕事が決まった段階の最新技術を駆使して、世界を驚かせたい。」
海外の知名度から察するに、東京五輪に蛯名さんが登場する可能性は高いといえる。
今後も海外の人たちにエンターテインメントを提供していってほしいものである。
EBIKEN時代の貴重なインタビュー動画!
マインドが素晴らしいですね。これからも頑張ってもらいたいです。
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