
最強旬野菜「春キャベツ」の魅力に迫る!
3〜5月だけ手に入る春キャベツ。
春キャベツは一年中店頭に並ぶ冬キャベツよりも柔らかくて甘いうえに、カロテンが3倍、ビタミンCが1,3倍も含まれているなど、栄養価も高いのだ。
さらに、キャベツにはがんを予防する効果まであることが最近の研究でわかってきた。
今回は、低カロリーで美容にもよく、病気を予防する、最強の春野菜「春キャベツ」の効能と効果について解説する。
春キャベツを食べると期待できる効果・効能
がん予防
胃・十二指腸潰瘍予防
免疫力アップ
整腸作用
アンチエイジング効果
生活習慣病予防
むくみ予防
デトックス
キャベツは各種栄養成分の含有量が少ない淡色野菜の中では例外的にビタミンCなどを多く含む、とても健康にいい野菜なのだ。
ビタミンK、βカロテン、クロロフィル、カリウムなどのミネラル類、食物繊維も豊富。
『自然の潰瘍薬』といわれるビタミンUも豊富に含まれていて胃腸の調子を整えてくれるのだ。
さらにキャベツにはがん予防効果があることが明らかになっている。
デザイナーフーズ・ピラミッドの上位にランクされたことをきっかけにキャベツは世界的に注目を集めるようになった。
http://www.huffingtonpost.jp/office-de-yasai-news/cancer_b_8552544.html
1990年、アメリカでスタートした『デザイナーフーズ計画』(植物性食品成分によるがん予防)では、膨大な疾学研究のデータを背景に食物のがん予防効果を研究。
『ファイトケミカル』(非栄養素成分)にがんをはじめとする疾病を予防する機能が多くあることが明らかになったのだ。
がん予防効果の高い食物を『デザイナーフーズ』として、効果の高い順に表したのが『デザイナーフーズ・ピラミッド』なのだ。
植物の色素や渋み、香りなどの元である『ファイトケミカル』は、高温や紫外線などによって引き起こされる酸化障害から植物自身を保護している。
人体では作れないファイトケミカルを積極的に摂取することで、がんをはじめ生活習慣病などの疾病の予防が期待できることが研究で明らかになっているのだ。
ファイトケミカルの成分には、ポリフェノール類やアルカロイド、カロテノイドなどがある。
中でもキャベツが多く含有し、最も注目される成分が、辛味成分の『イソチオシアネート』だ。
キャベツに含まれるイソチオシアネートが、がんの抑制酵素の働きを応援!!
まず、発がんのメカニズムを説明しよう。
発がん物質などが体内に摂取されると、肝臓などの細胞に含まれる『薬物代謝酵素』が働いて、体内で毒性や発がん性を持たせてしまう。
同時に、体内にはこれを抑制する『解毒酵素系』という成分もあり、イソチオシアネートはこの『解毒酵素系』の働きを応援することが動物実験で明らかになっているのだ。
解毒酵素を誘導する仕組みは、東北大学医学部を中心に現在も研究が進められている。
キャベツに含まれるイソチオシアネートが細胞内に取り込まれると、解毒酵素や抗酸化酵素を活性化させる遺伝子のスイッチをオンにしてくれる。
これががん予防につながるのだ。
イソチオシアネートは食道がん、大腸がん、肝臓がん、肺がん、前胃がんなどを抑制することが明らかになっている。
植物の細胞壁は固いのでイソチオシアネートの分泌を促すためには細かく切ったりよく噛んだりするといい。
大量のビタミンCで美容&アンチエイジング効果!
ほかにもキャベツには有効な成分が豊富に含まれている。
まず、ビタミンCの含有量が非常に多い。
100グラム中に41ミリグラムも含まれており、春キャベツはさらに1.3倍になる。
成人の1日の摂取推奨量は100ミリグラムなので春キャベツ約190グラムの量で1日分が摂取できる。
ビタミンCには美肌効果、風邪や感染症を予防する効果もある。
また、多量の食物繊維は便通を促し、腸内を善玉菌で整えてくれるのだ。
この作用もがん予防効果、生活習慣病予防効果につながっている。
ほかにも利尿、むくみ予防、血圧降下作用のあるカリウム、強力な抗酸化作用が知られているカロテン類も多い。
春キャベツにはカロテンが3倍も含まれているといわれており、アンチエイジング効果も期待できる。
さらにクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸が老廃物の排泄もスムーズにしてくれるのでデトックス効果もある。
淡色野菜にも関わらず栄養価が驚くほど高い春キャベツ。旬を逃さず、もりもり食べてガンを遠ざけよう。
[ad#ad-1]
春キャベツのおいしい食べ方
キャベツには独特の「えぐみ」がある。
この「えぐみ」の正体はイソチオシアネート。
切り口が酸素に触れるとイソチオシアネートが過剰に分泌されるため、苦味が出てしまうのだ。
切ったキャベツを保存するときには密閉袋に入れるなどして、できるだけ酸素にふれるのを避けるように意識しよう。
日本人の淡色野菜の目標摂取量は1日230グラム以上だ。
キャベツの外葉は一枚約60グラムなので、ほかの野菜も取り入れつつ、1日1〜2枚の摂取を目標にしよう。
100グラムあたり約23キロカロリーなので、食べすぎても太る心配はないだろう。
体にたまった冬の疲れも春キャベツがデトックスしてくれる。
カリウムは体内のナトリウムを排出し、食物繊維は脂肪の吸収を抑える。
春キャベツで始まりの季節を乗り越えよう。
キャベツは「むいてから切る」
葉は一枚ずつはがして使うほうが鮮度を保てる。
ざっくり半分に切り取って保存すると断面から酸化してしまい、水分が蒸発し、痛むのが早い。
ごわごわしない食感にするには、切る方向(繊維の方向)を揃えることが大事だ。
キャベツは葉脈が根元から放射状に広がっているため、その繊維を断ち切ると柔らかく、甘みを感じられる。
反対に繊維に沿って切るとシャキッとした歯ごたえが残る。
太く切るとゴワゴワするので細めが良い。
好みで切り方を変えて食感を楽しんでもいいだろう。
キャベツの芯はビタミンCの宝庫
芯の部分は葉よりもビタミンCが多いと言われている。
捨てるのはとてももったいないのだ。
みじん切りにすれば餃子やキーマカレーの具になるし、細切りにすればおいしい浅漬けになる。
春野菜は甘いのでスティック野菜でもおいしい。
バーニャカウダソースで食べれば芯がおいしくてしょうがない。
千切りキャベツの驚愕の効能
とんかつやエビフライ、コロッケなど、揚げものにはたいていキャベツの千切りが添えられているが、これにはれっきとした理由がある。
キャベツに含まれる食物繊維は人の消化酵素では吸収できない難消化性分だが、一緒に食べたものの吸収を抑制する働きがある。
脂質や糖分と一緒に摂取することで吸収スピードをやわらげてくれるのだ。
また、ビタミンUが胃腸に負担をかけやすい揚げものの消化を助け、胃腸の粘膜修復もしてくれる。
春キャベツは水分が多いため、千切りにしても美味しい。
まさに理にかなった食べ物なのだ。
とんかつの名店が教える千切りキャベツのつくり方
東京都港区にあるとんかつの名店「燕楽」によると、千切りはできるだけ薄く切ったほうがおいしいという。
スライサーを使うと水分がたくさん出ておいしくなくなるから、包丁を使ったほうがいいという。
大事なのは、水にさらさないこと。
洗うと水っぽくなって甘くならないうえ、栄養も流れてしまう。
切ってから時間がたつと味が落ちるため、食べる直前に切るのがいいという。
つくり方
- 1外側の汚れた葉を取り除いて半分に切る。
- 2切った断面を下において、さらに縦半分に切る。
- 3中心から分度器で1度ずつカウントするように少し斜めに切っていく。
- 4水にさらさないほうが栄養が流れずにシャキシャキふわふわに仕上がる。
春キャベツの正しい保存方法
春キャベツは冬キャベツにくらべて葉が柔らかく水分が多いためにしおれやすく、保存期間も短い。
できるだけ早めに使い切る必要がある。
すぐに使えない場合は冷凍保存も可能だ。
冷凍すると繊維が破壊されて食感が悪くなるので、冷凍後は煮込みなど、加熱する料理に使うとよい。
生のままでも、ゆでてからでも冷凍できる。
調理しやすいようにカットしてから密閉袋に入れて冷蔵庫に入れる。
冷凍しても劣化していくので1ヶ月を目安に使い切るようにしよう。
キャベツはケールの子孫
紀元前600年ころ、ケルト人がヨーロッパ各地に伝えたといわれるキャベツ。
そのルーツは野生種のケールだ。
ケールは長い時間を経て、さまざまな野菜に分化した。
最初キャベツは玉になっていなかった。
丸くなりやすい種を掛け合わせて人工的に結球するようにしたのが約一千年前。
ケールの子孫のうち、葉を食べるのがキャベツ、花のつぼみを食べるのがブロッコリーとカリフラワー、わき芽を食べるのが芽キャベツ、観賞用に改良されたのが葉牡丹だ。
LEAVE A REPLY