テレ東のドラマにパクリ騒動が勃発!?
2014年10月からスタートするテレビ東京の連続ドラマ「玉川区役所 OF THE DEAD」が、福満しげゆき(ふくみつしげゆき)の漫画「ゾンビ取りガール」のパクリ・無断盗用である可能性が高いとして話題になっている。
何がパクリなのか?
テレビ東京のドラマ「玉川区役所 OF THE DEAD」と漫画「ゾンビ取りガール」の設定が同じ部分をざっとまとめると以下になる。
- 舞台が日本
- ゾンビの存在が日常化している
- ゆる〜いノリのゾンビもの
- 主人公がモテない青年
- 主人公がゾンビを捕獲・回収する組織に所属している
- 主人公が新しく配属された新人女子の指導をする
といった具合で、作品の世界観から大枠の設定まではほぼ同じと言ってもいいだろう。
違いといえば主人公が所属する組織が「ゾンビ取りガール」では“零細ゾンビ回収会社”であるのに対して、「玉川区役所 OF THE DEAD」が“玉川区役所の特別福祉課”であるということだが、共にゾンビを捕獲して管理する組織であることには変わりない。
また、「玉川区役所 OF THE DEAD」に登場するのは武闘派の女子であり「ゾンビ取りガール」とは異なるが、新しく配属された新人女子というくくりで見れば同じである。
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「ゾンビ取りガール」を読んでいた福満しげゆきファンが怒る
テレビ東京が2014年8月11日に「玉川区役所 OF THE DEAD」の発表をした直後から、福満しげゆきの「ゾンビ取りガール」読者や、「いでじゅう!」「今日のあすかショー」で知られるモリタイシさんなどがtwitterなどで次々に反応。
林遣都:公務員のゾンビハンターに 「ドラマ24」で10月から – MANTANWEB(まんたんウェブ) http://t.co/sJUn4lgzqD
えっ?!これは日本のアルバイトとかゾンビ取りガールとか福満さんのやつじゃないの?
オリジナル脚本…?
— モリタイシ (@moritai4) 2014, 8月 10
この他にもネット上では、「福満しげゆき先生の漫画が原作・原案などと明記して筋を通すべきだ」という意見や、「ただの偶然にしてはできすぎてる気もする」といった意見がある。
それぞれの詳細なストーリー
就職難!! ゾンビ取りガール
福満しげゆき氏の漫画「ゾンビ取りガール」は
「日本にゾンビが出ても日本人はそんなになんにもしない」というコンセプトのもとに作られた漫画だ。
「ゾンビに対してザワザワ言うけれどやんわりとあきらめて、そのまま永久に普通に暮らしていけると思い込む…そしてそのまま何年か経過した世界」※本文ママ
という日本人独特の価値観に基づいた、新感覚のゾンビワールドを描いている。
無害なゾンビが街を徘徊する日本。
零細ゾンビ回収会社に勤める、捕獲メカマニアのモテない青年は、就職難からやむを得ず入社したかわいい新人バイト女子の指導を命じられた!
それは、この世の春か、失恋の始まりか!?
いいとこ見せたいゾンビアクションラブコメ『就職難!! ゾンビ取りガール』スタートです!
「玉川区役所 OF THE DEAD」
対して「玉川区役所 OF THE DEAD」では、
舞台は日本。他の課からワケありで異動させられた職員たちばかりが集まる玉川区役所の特別福祉課は、特別保険対象者(通称『特保』:ゾンビウイルスを保菌している住民または発症してゾンビ化した住民)の管理・捕獲が主な仕事。赤羽晋助(林遣都)も職員の1人だが、どうにもやる気が起きない。25年間、彼女と呼べる相手もおらず、パッとしない毎日を送っていた晋助。
ところがある日、アイドル並みのルックスだが“超武闘派”の女の子が新人として配属されてきて…!
ゾンビだらけの青春が動き出す!
というように、ストーリーを見る限り、頭に浮かぶ映像は2つともほぼ同じのように感じてしまう。
「玉川区役所 OF THE DEAD」監督の『発明』発言が火に油を注ぐ事態に
「玉川区役所 OF THE DEAD」の監督をつとめるのは河原雅彦氏。
「アキハバラ@DEEP」や「銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜」など、独特の空気感を持つ人気作品の脚本や監督を担当する人気脚本家だ。
その河原氏が、今回監督をつとめる「玉川区役所 OF THE DEAD」に対して
「ゾンビ愛溢れる僕ですから、これまでにない世界観を発明しました。」
とコメントしていることが「ゾンビ取りガール」読者の逆鱗に触れ、「ゾンビ愛に溢れているなら『ゾンビ取りガール』の内容くらい周知だと思うのですが」「『発明』という言葉が臭すぎる」などとtwitter上でつぶやかれたりと火に油を注ぐ事態になっている。
@moritai4 ゾンビ愛溢れる僕ですから今までにない世界観を考え出しました…っていう、監督の言葉がまたなんとも言えないですね、これ
— 偽なっかむ (@n_masaru) 2014, 8月 10
放送前の初期設定だけで騒ぐのはどうなのだろうという冷静な声も
確かに2つの作品は初期設定やストーリーだけを見ると同じように感じるが、「玉川区役所 OF THE DEAD」はまだ放送もされておらず、かたや「ゾンビ取りガール」も第一巻の発売から長期の休載を経て2014年4月に連載が再開したばかり。まだストーリーの全貌が明らかになったとは言い難い面もある。
「玉川区役所 OF THE DEAD」の放送内容も見ずに初期設定の「アイデア」が被っているだけでパクリと決めつけるのはあまりにも尚早では無いかという冷静な声も見られる。
アイデアは著作権法では保護されない
今回のような初期設定などの「アイデア」部分が被ってしまうケースについては、海法紀光さんが持論を展開している。
海法さんは著作権法でアイデアを制限してしまうことについて、横山光輝以外は巨大ロボットは書いてはいけなくなり、石ノ森章太郎以外変身ヒーローを書けなくなってしまうことを例として挙げている。
そうなると文化全体としては発展しにくくなってしまうため、著作権法では「アイデア」「設定」「シチュエーション」は保護されないのである。
また、日本を舞台にしたゾンビものということだけを考えれば、最近では「アイアムアヒーロー」「東京グール」などの人気作品もある。
他に設定が似ていると話題になった作品として、“ヒロインがタイムリープ能力によって死者を救う”設定が同じの「トゥルー・コーリング」と「モップガール」、“複数の若い男女が野外の広大な競技場で最後の1人になるまで殺し合いをする”設定が同じの「ハンガー・ゲーム」と「バトル・ロワイアル」などがある。
「玉川区役所 OF THE DEAD」のように、日本を舞台にしたゆる〜いゾンビものを作ろうとした場合、ゾンビを管理する役所が舞台になり、武闘派の女性がヒロインになり、その女性に振り回されるモテない男が登場するというアイデアが生まれないとは言い切れない。偶然の一致ということも十分考えられるのだ。
法律的には「アイデアに著作権は無い」で終わる話
今回のようなケースでは、前述のようにアイデア自体に著作権は無いため、法律的に問題になるケースは稀であり、それぞれの著作者の良識に委ねられる。
また、制作側にパクった気は全くないにも関わらず、「パクりだ」と認定されてしまうことに対しては、制作側は憤りを感じたり残念に思ったりするため、批評する側にも「パクり」について、良識な判断が求められている。
福満しげゆき氏の作品も話題になって売れてくれれば…
今回の騒動について「ゾンビ取りガール」の福満しげゆき氏は特にコメントを出していないが、福満しげゆき氏の友人であるモリタイシさんは、「ゾンビ取りガールがちょっと売れるとか、なって福満さんの心が多少穏やかになれば良いなあと思います」とtwitter上で語っている。
もしかすると「玉川区役所 OF THE DEAD」が「ゾンビ取りガール」と何らかの形でコラボする展開になるかもしれない。
「玉川区役所 OF THE DEAD」はテレビ東京系にて、2014年10月・毎週金曜深夜0時12分「ドラマ24」枠にてスタートする。
就職難!! ゾンビ取りガール
>「ゾンビ愛に溢れているなら『ゾンビ取りガール』の内容くらい周知だと思うのですが」
知らん知らん!
パクリの件よりこの一文が気になってしまった
お前ゾンビ産業なめてんの。どんだけ多岐にわたると思ってんだ
東京グールはゾンビものじゃねえ
>お前ゾンビ産業なめてんの。どんだけ多岐にわたると思ってんだ
その多岐にわたるゾンビ産業のうち日本を舞台にした日常系ゾンビ作品をあげてみてよ。いくつあるの?
被っても仕方がないくらいにたくさんあるんだよね?多岐に渡ってるんだから。