
ココナツオイルが認知症に効く
「ココナツオイル」が認知症に効果的だという研究結果が発表された。
きっかけとなったのは順天堂大学・加齢制御医学講座教授の白澤卓二氏が監修した『アルツハイマーが劇的に改善した!米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能』(SBクリエイティブ)という本だ。
著者であるメアリー・T・ニューポートさんは新生児治療を専門とする小児科医。
彼女の夫がアルツハイマー病を発症したことで、生活は一変。
投薬治療などさまざまなトライをしたが、症状は進み、2008年には記憶障害だけでなく視覚障害で本も読めなくなった。
運動機能の低下から、まっすぐ歩くこともできなくなってしまっていた。
日々、病が進行する夫を介護しながら、必死で治療法を探してきたメアリーさん。
ある日、アルツハイマー病治療薬として中鎖脂肪酸を研究している論文を目にしたのだ。
中鎖脂肪酸がココナツオイルに多量に含まれていることを知ったメアリーさんは、「ダメでもともと」の精神で近くの自然食品店でココナツオイルを購入。
オートミールに加えて夫に飲ませてみた。
すると、前日の認知機能検査で14だったスコア(30点満点)が、突然18に向上した。
この効果に驚いたメアリーさんは、毎日、大さじ2杯半のオイルを朝昼晩、夫に与え続けた。
監修の白澤先生が、来日したメアリーさんに会った際、無表情だった夫の顔は明るくなっていた。
軽い記憶障害はまだあるものの、読書ができるまでに改善したのだ。
さらに、歩行だけでなく、走ることもできるようになったのだ。
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ココナツオイルが認知症を改善する仕組み
中鎖脂肪酸が脳のエネルギーになる
どうしてこんな奇跡が起きたのか?
そのメカニズムについて、白澤先生はこう解説する。
アルツハイマー病は最近では『3型糖尿病』ともいわれており、患者の脳内でインスリンの効きが極端に悪くなっていることがわかってきたという。
そのせいで、エネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)を神経細胞が使えなくなり、記憶障害などを引き起こすと考えられているのだ。
つまり、認知症患者は、脳にエネルギーが届かない状態になってしまっているのだ。
ココナツオイルに含まれている中鎖脂肪酸は肝臓で分解され、ケトン体に変化する。
ケトン体はインスリンの影響を受けず、別ルートで脳に届くため、グルコースの代用エネルギーとなって神経細胞の活動に使われ、再び脳が働きだすのだ。
認知症を発症
↓
ブドウ糖が脳のエネルギーとして使えなくなる
↓
脳に記憶障害が発生
↓
ココナツオイルに含まれる中鎖脂肪酸がケトン体に変化
↓
ケトン体がブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとして活躍
↓
症状改善
摂取をやめて効果を実感する人も
2008年、メアリーさんはこの効果をレポートにして発表。全米で大きな反響を呼んだ。
彼女のもとには実際にココナツオイルを試し、症状が改善したという手紙やメールが数千通も届いているのだ。
もちろん全員に効果があるわけではない。
米国アクセラ社(中鎖脂肪酸を研究開発するバイオベンチャー企業)の研究によると、アルツハイマー病患者のうち、ココナツオイルを使った3人に1人が症状が改善したと報告している。
すぐに効果が出る人もいれば、徐々に効いてくる人もいる。
体に害があるわけではないので、とにかく1か月ほど試して、ダメならやめてみる。
やめたところで、症状が悪化し、オイルの効果が分かるという人もいる。
認知症予防にも効果を発揮
アルツハイマー病というと、高齢者を想像しがちだが、実際には脳の神経細胞の変性は50歳ごろから始まる。
ラットに中鎖脂肪酸を与えると、認知機能がアップすることが実験で分かっている。
ココナツオイルを毎日、一定量取ることで、認知機能を維持できるのだ。
つまり、ココナツオイルは認知症予防にも効くのである。
どのココナツオイルを買えばいいのか
ではさっそくやってみよう、ということになるのだが、同じ天然のココナツオイルでも、スリランカ、タイ、フィリピンなど生産国に違いがある。
フィリピン産は透明な液体状だが、タイ産は白く固まっている。溶ける温度も微妙に違ったりするのだ。
表示されている中鎖脂肪酸の量も異なっている。
白澤先生によると、「とりあえず入手しやすいものから始めればよい」という。
おすすめの食べ方
白澤先生のすすめる一日の摂取量は、約30ミリリットル。大さじ2杯分だ。
米国ではオートミールのように簡単にココナツオイルを加えられる日常食があるが、日本には存在しない。
ここが一番の課題だ。
そこで、ココナツオイルのおすすめの食べ方がある。
それはブラックコーヒーに入れることだ。
ミキサーに入れるとカプチーノ状になるので、とても美味しくなるのだ。
ただし、コーヒーに砂糖とミルクを入れると、オイルの作用を中和してしまうため、ブラックに限る。
サラダにかけると、まさにココナツ風味のサラダになる。
ほかには、冷蔵庫で白く固まったココナツオイルを、バター代わりにトーストに塗る方法がおすすめだ。
大さじ2杯分をトースト1枚にたっぷり塗る。これがウマい。
はちみつをかけると、さらにおいしくなる。
こんなに油取って大丈夫?
目安となる30ミリリットルは、おちょこに軽く1杯分だ。
毎日油をこんなに多く取って大丈夫なのだろうか?と疑問に思ってしまう。
しかし、中鎖脂肪酸は腸で素早く吸収され、速やかに使われる。
ほかの飽和脂肪酸のように中性脂肪に変換され、脂肪組織に蓄積されることがないのだ。
人によっては最初から1度に多くの量をとるとおなかがゆるくなることもあるため、徐々に量を増やしていくとよい。
筆者も試してみた結果
筆者もこの記事を書くにあたり、毎日30ミリリットルを一週間摂取した。
ブラックコーヒーに入れる方法を使用した。
記憶力が良くなってきたという実感はまだないのだが、遠くから急に近くを見たときなどに、目の焦点がグッと合いやすくなるのは明らかに感じられるようになった。
目は脳の延長に存在するため、ココナツオイルで神経細胞が活性化したとすれば、うなずける現象だ。
厚労省によると、2010年の認知症患者数は208万人。
2020年には289万人に達するとの推計も出ている。
アルツハイマー病は介護する家族にも非常に負担が大きい。
ココナツオイルを取ることで症状が改善する人がたくさんいるのは事実なのだ。
ぜひ活用してみてはいかがだろうか。
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