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階段から落ちたときの正しい応急処置―絶対にいきなり動かさないこと

階段から落ちたときの正しい応急処置―絶対にいきなり動かさないこと

階段から落ちたときの正しい応急処置―絶対にいきなり動かさないこと

階段から落ちた場合の初動対応

自分の場合 すぐには起き上がらない
介抱する場合 動かさない

※頭部を打った場合、むやみに動くと容体をさらに悪化させるため。特に首は頸椎損傷の可能性があるので絶対に動かさない。

階段から落ちた人を介抱する手順

1 動かさない
大丈夫ですか?とすぐに起こしがちだが絶対に動かさないこと。
2 人を呼ぶ
周囲に助けを求めてすぐに救急車を呼ぶ
3 気道の確認
気道(呼吸をするための鼻から肺までの空気の通路)が開いているか、口元に耳を近づけて確認。喉や口内で出血している可能性を考えつつ、気道を確保する。
4 呼吸の確認
呼吸が速くないか、息を吸う音がするか、胸が上下しているかを確認する
5 脈の確認
手首を触って脈が動いているかどうかを確認
6 意識の確認
声をかけて、意識があるかどうか確認
7 体温管理
布や衣類をかけるなどして体を保温する

頭を打った場合→脳神経外科へ

予想される頭部の主な症状

頭蓋骨骨折・頭蓋内出血(急性硬膜下血腫/きゅうせいこうまくかけつしゅ)・脳挫傷・意識障害(意識や記憶がなくなる)・痙攣・まひ など

予想される頸椎の主な症状

頸椎捻挫・頸椎脱臼骨折・頸椎損傷・手足のしびれ・まひ・呼吸困難・低血圧など

体を打った場合→整形外科・外科へ

予想される胸部の主な症状

呼吸困難・胸背部痛・肋骨の骨折・損傷 など

予想される腹部の主な症状

腹痛など

予想される骨盤の主な症状

臀部痛(でんぶつう)・腰痛・血尿など。
特に血圧が下がる場合は死に至ることがあるため危険

予想される四肢の主な症状

骨折・脱臼・捻挫・痛み・しびれ・変形など

頭を打った後は以下の症状が出ないかを注意して確認

・頭痛が強くなり、吐き気や嘔吐が何度も起こる
・ぼんやりしてくる。眠ってしまいなかなか起きない。
・物が二重に見えたり、よく見えなかったりする
・手足が動かしにくい、しびれる。右と左で動きや力の強さが違う。痙攣、ひきつけが起こる

上記の症状が出たらすぐに脳神経外科で医師の診察を受ける。頭を強打したあとは1~2日は安静にして、半年くらいは様子を見る必要がある。

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落ちたら動かない、動かさないが正解の理由

まず、自分から階段に落ちたときを想像して欲しい。

意識があるなら恥ずかしさからすぐ起き上がって立ち去ろうとすると思う。

また、階段から落ちた人を発見した場合も、「大丈夫ですか?」と声をかけて起こそうとしがちである。

しかし、実はこのどちらも不正解。

まずは動かないこと、動かさないことがいちばん大事なのだ。

転倒・転落事故において死亡率が一番高いのは頭部外傷だ。

頭部は打ちどころが悪いと、むやみに動いたことで容体をさらに悪化させる場合が多いのだ。

特に、絶対動かしてはならないのは「首」。

首を固定することで頸椎の二次損傷を防ぐことができる可能性が高まる。

また、階段から落ちた人を発見して介抱しなければならない場合の最重要事項は、「人を呼ぶ」ことだ。

本人はもちろん、立ち会っている人自身も混乱し、パニックになりがちのため、周囲に助けを求めてすぐに救急車を呼ぶのが正しい。

救急車を待つ間の対応

救急車を待っている間は、以下の手順で対応する。

口元に耳を近づけて気道が開いているかを確認する。

「ガハッゴボゴボ」という音がした場合は、喉や口内に出血が生じたり、異物が詰まっている可能性がある。

気道確保のため頸椎を保護しつつ、体位を横に向けるなどする。

 
さらに呼吸の速さ、脈を確認してから声をかけて、意識の有無を調べること。

救急隊を待つ間は、布や衣類をかけ、体の熱が奪われないよう保温してあげるとよいだろう。

救急隊が到着したら、確認した容体を速やかに伝えること。

頭部を強打した場合は半年くらいは慎重にする

打った部位で受診するべき病院が変わることに注意。

頭部や頸椎なら、脳神経外科へ。

頸椎から胸部、腹部、骨盤、四肢の場合は整形外科や外科を受診する。

なかでも頭部を打った場合はその後の注意が必要。

頭を強打すると、脳に様々な変化が起こる、

特に頭のなかで出血があった場合は命にかかわる状態になっている。

頭蓋骨内で出血が起こると、さっきまで元気だった人が急に意識をなくすことがある。

頭蓋内出血は、頭蓋骨の骨折と必ずしも関係しないため、頭の骨に異常がないからといって、油断は禁物なのだ。

頭を強打したあとは、頭痛や吐き気、しびれ、痙攣などがないか観察すること。

少なくとも1~2日間は安静にし、単独での外出は控えること。

特に子どもの場合は頭を強く打っても自分で症状をうまく伝えられないのだ。

たとえ元気にしていても1~2日は目を離してはいけない。

また、大人でも3週間~6ヶ月くらいしてから頭に血液がたまる場合がある。

継続して注意が必要なのだ。

階段から落ちたくらいで、と侮るのは危険。

怖いのは、すぐ症状が出ないことなのだ。

階段から落ちたら、必ず病院で受診すること。

初動の判断が生死を分ける

転倒・転落事故死は一日あたり約22人
厚生労働省の調査では、2015年に転倒・転落事故で亡くなった人の総数は7992人だ。

これは、同年の交通事故死者数5646人を上回り、毎日約22人が転倒・転落事故で命を落としているということになる。

なかでも、「階段およびステップからの転落およびその上での転倒」による死者数は694人。階段での事故は転倒・転落事故の1割を占める。

さらに、転倒・転落事故で死亡した人の約8割は65歳以上。

高齢社会においては自宅や病院だけでなく、駅や商業施設など、公共の場所での転倒・転落事故が今後も増えていく可能性が高いのだ。

いざという時のために、適切な対応を取ることができるようにしておこう。

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