ヒロイン達が実際に歩んだ歴史から見る『マッサン』!
2014年9月29日に始まったNHKの朝ドラ『マッサン』が早くも人気を呼んでいる。
初回の視聴率は関東で21.8%、関西では19.8%を記録しており、これはここ10年では最高のスタートだ。
ドラマは国産初のウイスキー製造に挑んだ竹鶴政孝とその妻であるリタをモデルに夫婦の愛と奮闘を描くストーリー。
玉山鉄二がマッサンこと亀山政春として政孝さんを、リタさんにあたるエリー役を米国人女優で29歳のシャーロット・ケイト・フォックスが演じる。
ヒロインのオーディションには、国内外から521人が応募。リタ役に大抜擢されたシャーロットは、女優歴10年とはいえ、米国での活動は舞台中心で、ドラマや映画にも出ているが、どれも端役という存在だった。つまり、今作は彼女のジャパニーズドリームでもあるのだ。
今回は、ドラマ『マッサン』のモデルとなった竹鶴政孝とその妻であるリタが歩んだ生涯から、ドラマの今後の展開を予想してご紹介しよう。
実際は“嫁いびり”は無かった
第1週の放送では、本場のウイスキーづくりを学ぶためにスコットランドに留学していた政春が、現地で出会ったエリーと結婚する。
日本に連れ帰ったものの、泉ピン子演じる姑に”外国人の嫁は認めない!”と大反対される様子が描かれた。
ところが、NHK関係者によると、劇中で描かれるような“いびり”は、実際にはなかったという。
夫妻が帰国する前に、政孝さんの勤め先の社長がスコットランドを訪れた際に、政孝さんの両親に代わって、自分が嫁を確かめてくると買って出たのだという。
社長が“ヨシ”と認めたら両親も受け入れる、ということになっていたのだとか。
結果的に社長はリタを気に入り、ふたりを祝福。現地で式を挙げてからふたりは日本へ。
勤め先のある大阪で数日過ごし、広島の政孝さんの実家を訪れたとき、両親はリタさんのためにどんなベッドを用意すればいいか悩んだという。
その後も姑は嫁のために着物を織ったり、お料理を教えたりしたそうだ。
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ドラマの今後の展開は?
史実によると、竹鶴政孝さんは勤め先の摂津酒造で、ウイスキー蒸留所建設を提案。
しかしこれは成功せずに退社する。
曲折を経て、寿屋(現・サントリー)のもとで工場建設を一任されることになる。
ただし、夫婦にとってはつらい出来事も起きてしまう。
夫が大阪の山崎で工場建設に必死になっている最中に、リタさんが流産をしてしまう。
さらに体質から、今後は子供はのぞめないと言われてしまうのだ。
NHK関係者によると、ドラマではここが前半のクライマックスになるという。
史実ではそのあと、乳児を引き取り、“リマ”と名づけて養女に。さらに後年には甥(政孝の姉の子)の威(たけし)を養子に迎えている。
一方、ウイスキーづくりでも新たな局面が。
独立した政孝さんはスコットランドの風土によく似た北海道の余市に会社を設立する。昭和15年に第1号のウイスキーをついに出荷するのだ。
新天地で叶った夫婦の夢。
この時期にも、ドラマに使われそうな実話が満載だ。
余市には先に政孝さんが行っていて、リタさんはあとから追いかけた。
余市駅に降り立ったときには、小さなプラットフォームいっぱいに社員たちが立って出迎え、その光景に彼女がえらく感動したというエピソードがある。
彼女は工場でビンを洗ったりして手伝ったほか、朝8時と昼の12時、終業時間の午後5時にカウベルを鳴らしていて、それが“リタの鐘”として余市の人に親しまれたのだという。
リタの生涯を描いた書籍のタイトルにもなっている。
日本食を完璧に習得したリタ
そんなリタは料理上手でもあったそう。
政孝さんから、「日本人になるなら、日本語の読み書きよりも日本食を覚えたらいい」と言われ、日本食を完壁に習得したのだという。
自分で塩辛を作ったり漬物は夏と冬で塩加減を調節したり、手打ちそばを作ることもあったそうだ。
しかし、政孝さんの帰りに合わせて食事を作るため、帰りの時間が遅れると機嫌が悪くなったという。
もちろん、読み書きもおろそかにはしていない。
アクセントは違う部分も多少あったが、非常にきれいな日本語を話したというリタ。カタカナも読めて日本語で手紙のやりとりもしていたそうだ。
戦時中は外国人スパイ扱いされる
すっかり日本にとけこんだリタ。しかし、戦争中には受難もあった。
外国人というだけでスパイ容疑をかけられたこの時代。鬼畜米英と時ばれ、特高警察の尾行がつき、家にアンテナがあればイギリスに会話を送っているのかと疑われる。
そのときリタは、「私の背がもう少し低ければ、目も髪も日本人のように黒くなれば」と思い続け、実際に髪を黒く染めたりしたこともあったようだ。
リタが生涯で帰国、すなわち里帰りしたのはなんと2回だけだったという。
ドラマの結末は
半年後、ドラマはどんな結末を迎えるのだろうか。
史実では妻が先立つが、リタさんは亡くなる前に“幸せだった”と言ったそう。
しかし、孫の孝太郎さんは政孝さんから“お前は国際結婚だけはするなよ”と言われたそうだ。
政孝さんは本当に日本に連れてきてよかったのかとずっと気にしていたようで、それだけ長くリタさんのことを思いやっていたことがわかる。
来春まで、極上の夫婦愛で酔わせてくれるに違いない『マッサン』の今後に注目だ。
NHK関係者によると、リタさんは実際に嫁いびりをされたことはなかったそうだが、リタ(エリー)役を演じるシャーロットは姑役の泉ピン子に現場でいびられていたようだ。
姑役の泉ピン子は、当初あまり日本語がしゃべれなかったシャルロットさんのことを「ここは日本なんだから、もうちょっと日本語の勉強をしてきてよね」なんて言っていたのだという。
それを玉山鉄二が“まあまあ、ボチボチで”とずっとかばっていたのだという。
まさに大物女優によるいびりと言っても過言ではないが、ただ最近はシャーロット自身も日常会話もできるようになり、セリフもみるみると上達していったため、それを見て泉ピン子は“彼女は間違いなくスターになるよ”と褒めているという。
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